新型コロナ、入院の基準と課題、見直しの方向性について

入院できる基準を知ろう

新型コロナに感染した場合に皆さんが心配することは、もし重症化した時に入院させてもらえるかどうかでしょう。

話を聞いている限り新型コロナに感染したからといって誰でも入院出来る訳ではありません。

今回は、どのような人がどんな基準で入院出来るのかを記事にまとめました。

入院する基準は決まっておりますが、病床が空いていないと医療機関も対応ができません!

新型コロナウイルス感染時の現行の入院基準

○ 都道府県等は、新型コロナウイルス感染症のまん延を防止するため必要があるときは、患者等を入院させることができる(感染症法第19条・20条)。

○ 現状、新型コロナウイルス感染症の無症状や軽症の方で、重症化リスクのある者(※1)に当たらず、入院の必要がないと医師が判断した場合(※2)には、宿泊療養又は自宅療養を行うことができる。(4月2日事務連絡)

※1)①高齢者、②基礎疾患がある者(糖尿病、心疾患又は呼吸器疾患を有する者、透析加療中の者等)、③免疫抑制状態である者(免疫抑制剤や抗がん剤を用いている者)、④妊娠している者。

※2)発熱、呼吸器症状、呼吸数、胸部レントゲン、酸素飽和度SpO2 等の症状や診察、検査所見等を踏まえ、医師が総合的に判断します。

重症化や死亡しやすい人は統計的に既に分かっておりますので、ご自身が対象者かどうかを理解して行動することをオススメします。

私は対象者ではありませんが、仕事柄基礎疾患をお持ちの患者様が多いので自分が感染しないための努力をずっと続けております。

自分だけでなく感染すると周りにも迷惑がかかる場合がありますので、ご自身の立場と周りの状況はしっかり把握されて行動した方がよいのではと考えております。

「自分は大丈夫!」という気持ちのゆるみが大変な事態を招きます。

死亡者数と重病者数の推移

死亡者数は2021年10月12日現在で、累計17,979人です。

重症者数の推移をみてみると、大きな山が3つありますね。

重病者数が少ない時期に新型コロナウィルスに感染したなら入院先確保に神経を尖らせる必要はないのですが、問題は重症化数が多い時でしょう。

誰しも新型コロナに感染したいなんて思っていませんので、流行り病を罹ってしまった方は不運としか言いようがありません。

しかし、運悪く重症者数が多くなってきたピークの時期に新型コロナに感染してしまうと、入院が必要な状態なのに医療機関から「病床が空いていないので受け入れられない。」と断られてしまうこともあります。

新型コロナウィルス、死亡者数と重病者数の推移
厚生労働省の資料より抜粋

新型コロナに感染しても、ほとんどの感染者(無症状または症状が軽い)は入院出来ずに自宅療養を余儀なくされます。

これは重症化や死亡のリスクのある人に為に病床を譲る意味でも大事なことですが、一人で自宅療養は心細いですよね。

「新型コロナに感染したら即入院じゃないの?」という勘違いをしている方は多いと思いますが感染しただけでは入院はできません。

得体の知れないウイルスに感染して不安な気持ちはわかるのですが、当人の気持ちだけでは入院はさせてもらえず、ある基準を満たさないと医療機関は受け入れてくれません。

新型コロナウィルスの影響で入院できる場合は命の危険が伴っている時だと思っておいてください。

しかし、医療機関のベッドがどこも満床で埋まっている場合は、重症化して救急車で運ばれたとしても受け入れ先がなくさ迷った結果自宅に帰されることなります。

明日は我が身ですので、個々に医療崩壊を起こさないためにもひとりひとりが感染リスクを抑える対策をキチンと理解して事前対策をしておく必要があります。

日本人は個々に予防の意識が高いので今のところ医療崩壊まではいっていないですよね。

今後の新型コロナ対策と課題

○ 新型コロナウイルス感染症については、感染者のうち、8割は軽症又は無症状のまま治癒するが、2割は肺炎症状が増悪し、人工呼吸器管理などが必要になるのは5%程度といわれています。

一方、若年者は重症化割合が低く、65歳以上の高齢者や慢性呼吸器疾患、糖尿病、肥満などを有する者で重症化リスクが高いことが判明している。

○ 現場では、結果的に軽症や無症状の人まで入院させ、医療機関や保健所の負担が増えているのではないかとの指摘もある。

また、今後検査体制の拡充に伴い軽症や無症状の人が増加する可能性があり、全て入院となると医療のひっ迫につながるのではないかとの指摘もあります。

○ これまで得られた知見等を踏まえ、次の季節性インフルエンザの流行期も見据え、重症化するリスクが高い高齢者や基礎疾患のある者への感染防止を徹底するとともに、医療支援を重症者に重点化していく必要があります。

結論としては、有効といえる治療薬の選択肢が少ない以上、感染拡大させない為の事前対策が最重要となります。

対策と課題の中で「感染者のうち8割は軽症又は無症状のまま治癒するが、2割は肺炎症状が増悪し、人工呼吸器管理などが必要になるのは5%程度」という文章が私は一番気になりました。

重症化すると結構な率で人工呼吸器管理などが必要になるのですね。

自分がその立場になったらと思うとゾッとしますが、有効な治療薬が開発され使用できるまでは感染しない努力を常に怠らないという努力をしていくしかないです。

最近大きく報道されているアメリカの大手製薬会社メルクが開発中の重症化リスクを減らす効果の高い新薬の開発にも期待したいところです。

早ければ令和3年度中にも新薬が承認されるかもしれません。

メルクの飲み薬には期待してるニャ!

見直しの方向性

○ 感染症法に基づく新型コロナウイルス感染症の入院措置の対象について、季節性インフルエンザの流行期も見据え、重症化リスクのある者や重症者等に重点をシフトしていく観点から、患者等を一律に捉えて適用するのではなく、入院が必要な者を明確化してはどうか。

具体的には、感染症法に基づく入院措置の対象について、高齢者や基礎疾患を有する等の重症化リスクのある者や現に重症である者等の医学的に入院治療が必要な者とするなど、規定の見直しをしてはどうか。

併せて、感染症のまん延を防止するため都道府県知事等が入院を必要と認める者について、合理的かつ柔軟に入院措置ができるよう、規定を整備してはどうか。

※ 無症状や軽症で入院の必要がないと判断された者も、引き続き、まん延防止のため、宿泊療養(適切な者は自宅療養)を求めることとする。

「入院が必要な者の明確化」はかなり困難なのではと思いますが、何かしらの判断基準が出来るとよいですね。

新型コロナウイルスに感染して入院が必要な人は命の危険が迫っている人であることは間違いないので、どこを境に入院が不要と見極めるのかもっと詳しく知りたいところです。

そろそろインフルエンザワクチンの予防接種の時期になりましたので、私は来週にでもインフルエンザワクチンの予防接種行ってこようと思っています。

体調不良でクリニックなどに通院しても発熱していた場合はとても警戒されますし、こういう時期だからこそインフルエンザにも感染したくないです。

熱があるとみんなの態度と対応が急に変わるのが分かります。

それほど世間は新型コロナウイルスに対して敏感で神経を尖らせているのだなと感じます。

季節性のインフルエンザについても、前もって予防接種を済ませて対策することをオススメ致します。

まとめ

新型コロナの感染爆発による医療崩壊を防ぐ為にも明確な基準は必要ですよね。

どんな基準で重症化した患者を入院させるのか、どんな治療をするのかはまたまだ試行錯誤なのでしょうね。

有効な治療薬が出てくるまでは重症化リスクのある者はより一層、感染予防を徹底しておいた方がよいでしょう。

まずは自分の命を最優先に考えて行動してください。

また、新型コロナウイルスに感染した人の意識とモラルと対応次第で感染拡大やクラスターを防止することが可能です。

ご自身が新型コロナに感染したことが判明したのであれば、他者に感染させるリスクがある期間はご自宅などで人との接触をなるべく避けて過ごすようにしてください。

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