神経難病全容解明(ALSなど)目指したクラウドファンディングは1,000万円を突破!|慶應大学

神経難病全容解明(ALSなど)目指したクラウドファンディングは1,000万円を突破!|慶應大学

理解と治療法開発へ向けてクラファン開始

慶應大学がクラウドファンディングを行い最終的に目指すのは、将来的に神経難病を「根本的に治癒する」ことです!

この研究については、神経難病を「根本的に治癒する」という高い目標と強い意気込みを感じるので、私もクラウドファンディングを通じて微力ながら寄付を行いました。

『基礎・臨床融合による神経難病研究:ALS克服に向けた研究』にたいして現在集まっている寄付額は1,000万円を超え、目標にしている総額3,000万円への到達が視野に入ってきました(2023年5月現在)。

ALSをはじめとする神経変性疾患への理解と治療法開発へ向けてクラウドファンディングに挑戦するのであれば、医療関係者はぜひ応援してあげたいと思うものなのです。

ゆづき

最近はクラウドファンディングの話題をわりと聞くようになってきましたが、今回のような取り組みには最適ですね!

まさし院長

研究成果が上がるまでは日の目を見る機会が少ないのが研究開発に携わる方々ですが、医療の発展のためにはとても重要な部分を担ってみえるのです。

これからのALS研究へ、ともに歩む

スマホの普及と共に、筋萎縮性側索硬化症(ALS)の治療開発についての話題はネットニュースなどでよく目にするようになっているのではないでしょうか。

この分野はiPS細胞創薬の発展以降、ますます活発になり加速度を増しています。

臨床の現場では現在、進行を少しでも遅らせるために神経細胞の保護によって効果を発揮する薬が使用されています。

今回の研究の凄いところは、将来的に「根本的に治癒する」ことを目指しているところにあります。

2023年の時点でいくつかの薬剤の臨床試験が進行しており、既存の薬の見直しや遺伝子治療によるALSへの効果が検証されています。

どのような基礎研究がおこなわれているかというと、「家族性/孤発性ALSの分子メカニズムや原因の探索 」「iPS細胞創薬による薬剤候補の発見」などです。

実施する研究の詳細について

我々はこれまでに、ヒトiPS細胞由来ニューロン(Sato et al., Neurosci Lett, 2021)、ヒトオリゴデンドロサイト(Numasawa-Kuroiwa et al., Stem Cell Reports, 2014)、アストロサイト(Leventoux and Morimoto et al., Cells, 2020)、ミクログリア(Sonn et al., Inflamm Regen, 2022)誘導法の確立、さらにはオルガノイド作製技術を開発し、アルツハイマー病および前頭側頭型認知症(FTD)の病理モデルを作製することに成功(Shimada et al., Cell Rep Methods, 2022)しています。

本研究では、すでに慶應義塾大学で確立済みのこれらの技術を応用したアセンブロイドシステムやGlia-Neuron co-culture systemを用い、加えて、AI/自然言語モデルといったバイオインフォマティクスを駆使した、基礎研究データと臨床研究データの統合解析を行うことにより課題を解決し、ALS全般に対する理解度を深め、より多くのタイプのALSに対する革新的な治療法の開発を目指します。

さらに、ROPALS試験における多くの患者様、ご家族のご協力により得られた臨床情報や生体試料、あるいは公的生体試料バンク由来の試料を用いてリバース・トランスレーショナルリサーチを実施することで、ALSの病態に関わるバイオマーカー、および臨床試験の効果を判定するためのサロゲートマーカーの開発を進めます。

※「基礎・臨床融合による神経難病研究:ALS克服に向けた研究の加速を」より一部抜粋

解決を目指している研究課題

(1) ロピニロールによるALS以外の運動ニューロン病(沖縄型神経原性筋萎縮症:HMSN-P、紀伊半島に多発する筋萎縮性側索硬化症/パーキンソン認知症複合:Kii ALS/PDCなど)さらには他の神経変性疾患への治療効果の可能性について検討するべきである

(2) ロピニロールによる抗ALS作用のメカニズムには、D2受容体依存性と非依存性の作用があるが、各々について関与するパートナー分子やシグナルカスケードなど不明の点が未だに多い

(3) iPS細胞を用いたALSの表現型解析は脊髄運動ニューロン中心であり、上位運動ニューロンや同細胞の筋肉とのシナプス形成や相互作用という観点からの解析が乏しい

(4) グリア細胞を中心としたALSに関する細胞非自律的な要因の解析が乏しい

(5) 多様な病態を有する孤発性ALSを層別化し、各々のグループごとに最適な治療法を見出す必要がある。即ち、孤発性ALS患者の多様性に対応し、その約30%はロピニロールに対する治療効果が低く(Suboptimal Responder; SR)、それらSR群に最適の抗ALS薬が見出されていない

(6) 現時点の技術ではiPS細胞を用いて薬剤に対する治療反応性を判定するには時間がかかり、その間に患者の症状が進行してしまうので、これを迅速に判定するシステムを構築すべきである

(7) ALSの病態に関わるバイオマーカーおよび臨床試験の効果を判定するためのサロゲートマーカーの開発が必要 など

※「基礎・臨床融合による神経難病研究:ALS克服に向けた研究の加速を」より一部抜粋

専門用語で解説されても、よく分からないですよね…。

研究内容はよく分からなくとも、今回の研究は、臨床応用を見据えた基礎研究を加速させる可能性があるということを何となく知っておいてください。

凄く面白い研究内容だと思うのですが、最新の研究だけあって内容は難しくこの記事で間接的に文字で説明していても分かりにくくなるだけですので、ご興味がある方はプロジェクトの寄付から詳細をご確認ください。

→基礎・臨床融合による神経難病研究:ALS克服に向けた研究の加速を

まさし院長

現在は進行を遅らせることにスポットをあてた治療が主流ですが、こういった研究が進めば将来的には根本的に治療することも可能になるという理屈です。

かえで

根本的な治療法はいまだ存在していない病気だからこそ、その原因の探索や創薬候補の発見が重要なのでしょうね。

寄付額のコースは5千円から300万円まで

今回募集している目標寄付額は3,000万円となり、目標金額を達成した場合のみ、実行者は集まった寄付金を受け取ることができます。

冒頭でもお伝えしましたが、現在集まっている寄付額は1,000万円を超えており、目標にしている総額3,000万円への到達が視野に入ってきております。

しかし、あと残り2,000万円の壁は厚いので、ぜひとも多くの人が寄付に参加してくれることを望みます。

本クラウドファンディングの目標金額:3,000万円

消耗品費(iPS細胞研究用、バイオマーカー探索用の培地や試薬費用):1,100万円

人件費(実験実施のための技術スタッフ雇用費用、1人/1年間分):500万円

外注費用(RNA/DNA次世代シークエンサー根本的な治療法はいまだ存在してなど):450万円

諸経費(慶應義塾大学およびREADYFOR株式会社に対する事務手数料など)

本研究の遂行に要する期間:〜2026年3月末日までを想定しています。

使用目的の内訳を一覧にしてみましたが、研究するための機材などに多くの費用がかかるのが分かります。

消耗品費に1,100万円、これだけでも誰かの支援がないと研究の継続は難しいでしょう。

米国では民間ファンドや政府による資金援助が充実していると聞きますが、日本では積極的に行われていないのが現実なのでしょうね。

クラウドファンディングはこういった支援をする為には最適のシステムだなと感じます。

ひろと

研究開発は特殊な仕事だけに消耗品費を仕入れる費用もかさみがちですよね、そういった部分の支援は重要だと思います。

まるちゃん

解析費用もけっこうお金がかかるものなんじゃの~

現状打破には根本的な治療が必要

慶應義塾大学医学部 生理学教室教授 岡野栄之氏は「ALS全般に対する理解度を深め、より多くのタイプのALSに対する革新的な治療法の開発を目指します。」と明言されていますが、そこで問題になってくるのはやはり研究開発費でしょう。

私は機能訓練指導員ですので脊髄小脳変性症、ALS (筋萎縮性側索硬化症)、パーキンソン病、ニューロパチー、認知症などの患者さんと接する機会が多いです。

しかし、身体のケアはできても病気が進行して失われていく機能をどうすることもできないのが現状であり、進行を遅らせる為の治療を行っていても、本格的に身体が動かせなくなってきてからは四肢のケアをしながら無理なくサポートをしていく程度になります(※筋肉の緊張をほぐす、全身の血流をよくする、各関節を柔らかく保つ、関節可動域を維持することは可能です)。

パーキンソン病や認知症などの方はわりとリハビリと相性がよいので病状の程度によっては身体機能を一時的に上げることが可能ですが、それもご病気の進行状況次第なのは変わりません。

脳梗塞後遺症やギランバレー症候群、脊柱管狭窄症のように回復する要素が強く「やり方次第」で病気を克服できる訳でもないので、神経難病の患者さんと対峙するといつもはやく新しい治療法が確立してくれないかなと切に思います。

まさし院長

今回のクラファンは投資ではなく寄付に該当しますが、日本の医療技術の発展の為にはお金持ちの方々の善意が必要だと感じます。

ムギ

日本の富裕層は、こういう取り組みにもっと資金を入れるべきだと思うニャ!

まとめ

気になる取り組みですので有言実行でクラウドファンディングを通じて私も寄付をしました。

微力ながら資金面で協力しましたので、ぜひ目標金額を達成して欲しいなと思いまし、今後も進捗状況を見守りたいと思います。

開始されてまもないクラウドファンディングですが、目標金額への到達にはみんなの理解と善意の心が必要ですのでこの記事を書いて周知しようと思い立ちました。

神経難病の患者さんと日々接していて、「この方がはなんでこんな目に遭わないといけないのだろう?」と思うことも多いです。

そういった患者さんを救うには原因を解明して根本的な治療を行うしかないのです。

今回の「ALS克服に向けた研究」はそういった意味でもたいへん意義のある研究だと言えるでしょう。

私はこのプロジェクトに微力ながら寄付をしましたが、もしご興味がある方がおられましたら、特設ページから寄付をされてはどうでしょうか。

→基礎・臨床融合による神経難病研究:ALS克服に向けた研究の加速を

お問い合わせ先、愛知訪問マッサージ・リハビリ

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