【成功】脊髄損傷から時間のたった神経「iPS由来の細胞」移植で再生へ

【成功】脊髄損傷から時間のたった神経「iPS由来の細胞」移植で再生へ
運動機能の一部が回復
「脊髄損傷で身体が麻痺して動かなくなってしまった。」「事故で脊損になって時間も経過しているので回復はもう無理だろう。」と悩んでいる方々は、この研究が実用段階に入ればそんな悩みもいつか過去のことになるのかもしれません。
医学の常識は常に変わっていくもの、かつては不可能と思われていた事象もiPS細胞の出現と研究者のたゆまぬ努力によって可能になりつつあります。
今回、慶応大学のグループが「iPS細胞」から作った神経の細胞を移植することで、脊髄損傷となってから時間がたった状態のラットの神経を再生させ、運動機能の一部を回復させることに成功したというニュースが飛び込んできました。
脊髄損傷からの回復は時間が経過するほどに難しくなると言われていますが、そんな難題に慶応大学の岡野栄之教授と中村雅也教授のグループが挑み、その成果を国際的な科学雑誌に発表したのです。

iPS細胞を軸にして、再生医療はこれから飛躍的に伸びていくのではと期待しています。

不幸な事故やケガで脊髄に損傷を負ってしまった方々を救うための未知の領域への挑戦ですね!
新たな神経回路がつながる
研究グループは、脊髄損傷6週間たったラットに細胞増殖など促す特殊なたんぱく質を投与し、さらに一週間後にiPS細胞から作った神経細胞のもとになる細胞を投与しました。
その結果、新たに神経組織が現れて損傷個所を超えて広がり『新たな神経回路がつながる』という現象が起きたのです。
再生医療を実現するために重要な役割を果たすと期待されています。
iPS細胞は再生医療を実現するために重要な役割を果たすと以前から期待されていたのですが、こういった研究成果が出たことは大変喜ばしいですよね。
「新たな神経回路がつながる」という治療法は根本的な解決を目指せますし、この治療法が確立すれば多くの脊髄損傷の患者さんが助かるという夢のような研究です。
何気に「この研究すごい!」と思ったら違う研究でクラウドファンティングをされている慶応大学の岡野栄之教授の研究ではありませんか。
こういった研究の積み重ねがいずれ多くの患者さんを救うことに繋がっていくのでしょうね。
なので、岡野栄之教授の研究には私も微力ながらクラウドファンティングで資金を寄付したりしています(※今回の研究でクラウドファンティングされている訳ではありません)。

神経難病の全容解明にたいしてのクラファンで慶応大学の岡野栄之教授を知ったのですが、脊髄損傷の研究にも携わっていたのですね。

困っている人を救うための研究には寄付をしたくなるの~
運動機能の一部が回復
『新たな神経回路がつながる』となると期待したいのがその効果です!
この研究では後ろ足を数センチの幅で動かせるようになるなど『運動機能の一部が回復』したと報告されています。
脊髄を損傷して身体が動かせなくなると、時間の経過と共に機能回復は特に難しくなるとされています。
「損傷から時間のたったラットで機能の一部が回復した例はこれまでにない。」とのことで、この実験結果を踏まえて、iPS細胞から作った神経細胞を脊髄損傷患者に移植する臨床研究を進めていく方針だそうです。
これにたいして慶応大学の岡野栄之教授は『安全性に関して動物実験で確信を得ることができましたら、(患者に対する)臨床研究あるいは治験という形で実用化を目指していきたいと思っている。』と述べています。
この研究は脊髄損傷の患者さんにとっては凄く嬉しい情報ですよね。
記事の説明を①~⑤に箇条書きにして今回の研究の流れをもう一度振り返ってみていきましょう。

治療の結果は良好のようですし、後は安全性を確認して早めに次のステップに移って欲しいですね!

運動機能の一部が回復って凄いことですよ!
再生医療について
最後に再生医療について少し解説しておきますと、再生医療とは病気や怪我などによって失われてしまった機能を回復させることを目的とした治療法です。
iPS細胞がもつ多分化能を利用すると様々な細胞を作り出すことが可能になります。
例えば神経が切断されてしまうような外傷を負った場合には、失われたネットワークをつなぐことができるように神経細胞を移植するなどのケースが考えられまし、iPS細胞から分化誘導した細胞を移植する細胞移植治療への応用も期待できるそうです。
今までにない新しい治療法を確立するためには課題も山積みでしょうけど、今回の研究もiPS細胞を上手に使って実験の成果を出していって欲しいと思います。

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