ALS(筋萎縮性側索硬化症)とは

ALS(筋萎縮性側索硬化症)とは

ALSとはどんな病気?

厚生労働省の資料などを参考にALS(筋萎縮性側索硬化症)について、なるべく分かりやすく解説していきたいと思います。

ALS(筋萎縮性側索硬化症)は一次運動ニューロン(上位運動ニューロン)と二次運動ニューロン(下位運動ニューロン)が選択的にかつ進行性に変性・消失していく原因不明の疾患です。

もう少し分かりやすく解説すると、この疾患は原因はいまだ解明されておらず、筋肉を動かし、かつ運動をつかさどる神経(運動ニューロン)が主に障害をうけることで、四肢・のど・舌の筋肉や呼吸に必要な筋肉がだんだんやせて力がなくなってしまいます。

運動をつかさどる神経(運動ニューロン)に障害をうけると、脳から「手足を動かせ」という命令が出てもそれが手足に上手く伝わらず、時間の経過と共に力が弱くなり、筋肉はやせ細っていきます。

このような症状から筋肉そのものの病気ではなく、神経系の難病ということが分かります。

また特徴的なのは、視力や聴力、身体の感覚、内臓の機能などはすべて普通に保たれるのです。

主に中年以降に発症し、最もかかりやすい年齢は60~70代です。

病勢の進展は比較的速く、人工呼吸器を用いなければ通常は2~5年で死亡することが多い疾患です。

患者A

有効な治療法はないのかしら?

まさし院長

いろんな研究機関が原因の究明や新しい治療法を模索していますので、いつかは全容が解明されて有効といえる治療法ができるのかもしれません。

ALSの原因

さまざまな学説がありますが、原因は今のところまだ十分に解明されておりません(学説:酸化ストレス、タンパク質の分解障害、神経の老化との関連や興奮性アミノ酸の代謝異常、ミトコンドリアの機能異常など)。

筋萎縮性側索硬化症(ALS)のうち約 5%は家族歴を伴い家族性筋萎縮性側索硬化症(家族性 ALS)とよばれており、家族性 ALS の約2割では、フリーラジカルを処理する酵素の遺伝子の変異が報告されています(ALS1)。

全容解明を目指した研究により、原因遺伝子などへの異常が次々に報告されているそうです。

孤発性 ALS の病態としてはフリーラジカルの関与やグルタミン酸毒性により神経障害をきたすという仮説が有力です。

また孤発性 ALS の多数症例を用いてゲノムワイドに疾患感受性遺伝子を探索する研究も進行中です。

かえで

ALSの全容解明についてはいろんな学説がありますが、最終的には研究者の方々の努力にかかっていますよね。

まさし院長

すごく大事な研究でぜひ解明して欲しいので、私も神経難病の全容解明を目指したクラウドファンティングに寄付をし応援しています

ALSの症状

ALS は発症様式は下記の3型に分けることができます。

ALS の発症様式

(1)上肢型(普通型)…上肢の筋萎縮と筋力低下が主体で、下肢は痙縮を示す

(2)球型(進行性球麻痺)…言語障害、嚥下障害 など球症状が主体となる

(3)下肢型(偽多発神経炎型)…下肢から発症し、下肢の腱反射低下・消失が早期からみられ、二次運動ニューロンの障害が前面に出る

これ以外にも呼吸筋麻痺が初期から前景となる例や、体幹筋障害が主体となる例、認知症を伴う例などもあり多様性がみられます。

まさし院長

ALSの患者さんのうち、約4分の3の人が手足の動きに異常を感じて病院を訪れるそうです。

かえで

どの運動ニューロンが侵され、どの筋肉が弱くなるかによって、 最初にあらわれる症状は異なります。

ALSの適切な治療法

現在のALSの治療法は、薬で進行を遅らせたり、症状をやわらげるための対症療法が中心です。

多くの研究チームがその根本的な治療法の解明に挑んでいますので、いつかは根本的な治療法は確立されるとよいですよね。

ALSに対して、リルゾールやエダラボンがすでに国内で薬剤として承認されているますが、その効果は限定的であり、根本的な病態の解明とさらなる治療薬の開発が急務となっています。

筋力低下や痙縮に伴って様々な二次的症状が出現します。

不安や抑うつには安定剤や抗うつ薬を用い、痙縮が著しい場合は、抗痙縮剤を用います。

筋力低下に伴う痛みに対しては鎮痛剤や湿布薬を使用し、関節拘縮の予防には定期的なリハビリが必要です。

まるちゃん

根本的な治療法はいまだに存在していないのか難しい病気なんじゃ

まさし院長

今のところは薬で病気の進行を遅らせながら対症療法で適切に身体のケアをする治療法を選択することになるでしょう。

ALSの呼吸障害は徐々に出現しますんで、初期には自覚症状がほとんどなく、自覚症状を感じるようになった時にはかなり症状が進行している場合があります。

呼吸障害にたいしては、比較的軽度の呼吸障害の時に行われる「非侵襲的な呼吸補助」と気管切開を施行し、人工呼吸器を装着する「侵襲的な呼吸補助」があります。

嚥下障害の進行した場合、胃瘻形成術、経鼻経管栄養、経静脈栄養などを考慮する必要があります。

いずれ動けなくなることを想定して、症状に応じた評価を早めに行い新たなコミュニケーション手段を習得することが大切です。

体や目の動きが一部でも残存していれば、適切なコンピューター・マルチメディア、意思伝達装置及び入力スイッチの選択により、コミュニケーションが可能となることが多いです。

脳波を使う方法も報告されています。

大事なのは症状が進行する前にどのような治療法を選択するのか早めに話し合い、十分に時間をかけて方針を決めていくことが大切です。

長く生きるコツとは

個人差が非常に大きく症状の進行については正確な調査がされていないのですが、発症から死亡までの平均期間は約 3.5 年といわれています。

球麻痺型は進行が最も速いとされており、発症から3か月以内に死亡する例もあります。

ALSの進行のスピードも様々で進行が遅く、呼吸補助無しで 10 数年の経過を取る例もあります。

大事なのはできるだけ早く診断をつけて介入することで、そうすることで「生活の質」を保ちながら「長く生きる」ことができるようになっています。

どのご病気にも言えることですが、「早期発見・早期治療」が大切なのです。

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