難病ALSに希望の光、筋萎縮性側索硬化症の新薬がアメリカで承認される

難病ALSに希望の光、筋萎縮性側索硬化症の新薬がアメリカで承認される
根本的な原因に働きかける薬
ALS(筋萎縮性側索硬化症)の患者さんにとってビッグニュースが飛び込んできました。
なんと、ALSの根本的な原因に働きかける新薬が承認されたのです!
難病ALSにとって突破口となる治療法はないかと思案されている方も多いと思うのですが、ALSの根本的な原因に働きかける薬が初めて承認されたことはALS患者やその関係者にとってすごく嬉しい話題なのではないでしょうか。

リハビリでALSの患者さんに接した時に、根本的な原因を解決できる薬が早く開発されないかなといつも思っていました。

今回承認された新しい薬には期待したいですね!
まずはALSを簡単に解説
まず初めに、(ALS)筋萎縮性側索硬化症とはどのような病気なのかざっくり解説します。
ALSは約90~95%は遺伝と関係なく発生し、5~10%は遺伝性と言われており、手や足・喉・舌の筋肉、呼吸に必要な筋肉がだんだんやせて力がなくなっていく病気です。
転倒したことがきっかけ病院を受診し病気が発覚する場合もあり、転倒といっても普通の倒れ方ではなく、倒れると分かっていても防御できずに顔から倒れたりするそうです。

筋力が低下したということではなく、運動をつかさどる神経(運動ニューロン)が主に障害をうけて筋肉を動かせなくなります。
神経に障害を受けると脳からの命令が伝わらなくなるので、手足を動かす力が弱くなり、筋肉もやせていきます。
体の感覚、視力や聴力、内臓機能などはすべて保たれるという特徴もあります。
まだ原因は究明されておらず(神経栄養因子の欠乏説、フリーラジカル説、何らかの環境因子の関与、グルタミン酸過剰説)などの仮説を立てて研究がされいますが結論は今のところ出ていません。

ALSの患者さんはわりと気さくに病状を話してくれますが、身体を動かせない苦労も多いだろうなと察して対応しています。

新しい薬の対象者について詳しく知りたいです!
ALSの治療薬「トフェルセン」
アメリカ食品医薬品局(FDA)は25日、アメリカの製薬会社が開発した新薬を「患者に利益があると合理的に予測できる」として、治療薬として承認したと発表しました。
対象の患者さんにはとても嬉しいニュースと言えると思います。
承認されたのはALSの治療薬「トフェルセン」です。
では、どのような作用を及ぼす薬で、どんな患者さんにたいして有効なのか一緒にみていきましょう。
この治療薬は全てのALS患者に有効なのではなく、ALS患者の中でも「SOD1」と呼ばれる特定の遺伝子の変異が原因の遺伝性のALS患者が対象となります。
この変異では毒性のあるたんぱく質が作られることで筋肉を動かす神経が損傷してしまうので、症状が進行して身体が動かなくなってしまいます。
FDAは108人の患者を対象にした治験の結果、薬を投与した患者の血液に含まれる「神経が損傷していることを示す物質」が減少していることが確認されたとアナウンスしています。
この治験結果は難病のALS患者にとって希望の光と言えるのではないでしょうか。
バイオジェンはALS患者全体のおよそ2%のこの治療薬が有効としており、アメリカ全体ではおよそ330人が対象です。
ALSの根本的な原因に働きかける薬が承認されるのは、今回が初めてです。

全体のおよそ2%に有効なのか、全体からみた割合としては少なくも感じるけど、大きな成果だニャ!

病気を治療できる手段があるってホントに嬉しいですからね!
日本での承認が待たれます
アメリカの製薬会社「バイオジェン」が開発したそうで、今すぐ日本で治療を受けたいと思ってもドラッグラグの関係上、日本に入ってくるのはまだ先になりそうですね。
例えばアメリカその新薬がで承認されて市場に出てから、日本で使えるようになるまでの時間差は、今のところ平均で4年(48カ月)と言われていて、これがドラッグラグなのです。
FDAは「この薬は患者に利益があると合理的に予測できる」として、深刻な病気の患者に対し、より早く治療を提供する「迅速承認」という仕組みで承認したそうです。
日本のALSの患者さんにとっても一刻も早い利用開始が望まれますので、早急な対応をして欲しいですね。

開発された新薬が日本でも使える日が早く訪れるとよいですね!

ドラッグラグ、時間がかかるものなんじゃの~
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