筋委縮を防ごう!運動で筋肉は太くなる、難病でも諦めずにリハビリを続けた方がよい理由

筋委縮を防ごう!運動で筋肉は太くなる、難病でも諦めずにリハビリを続けた方がよい理由

筋委縮の種類を知ろう

筋萎縮 (きんいしゅく )とは、一言でいうと筋肉がやせることです。

筋力が低下してきて身体に目に見えた変化が出ると、「寝たきり生活だから手足が細くなってしまった。」「何とか筋力を元に戻せないだろうか。」と誰かに相談したくなりますよね。

私が施設や各ご家庭を往診をしていても筋委縮の症状はよくみかけますし、そのような場合は患者さんと二人三脚で症状の改善に取り組むことが多いです。

では、いったいどのような原因で筋肉が痩せてしまうのでしょうか、筋委縮の原因は下記の3つに分類されます。

筋委縮の原因

筋原性:原因が筋肉そのものにある…筋ジストロフィーなど

神経原性:原因が筋肉に指令や栄養を供給している運動ニューロンにある…筋萎縮性側索硬化症(ALS)、脊髄性筋萎縮症(SMA)、球脊髄性筋萎縮症など

廃用性:なんらかの原因により長期に筋肉を使用しなかった為に筋体積が減少し筋の萎縮をきたす

患者A

最近お父さんの手足がすごく細くなってきたけど、寝たきりで動くことが殆どないからなのかしら?

まさし院長

どのような疾患を抱えているかにもよりますが、動かなければ誰しも筋力は弱り手足は細くなります。

最善を選択する努力が大事

長く往診での治療を行っているといろんな病気と対峙します。

今回のテーマである筋萎縮は筋原性、神経原性、廃用性と分類されており、どれも一筋縄ではいかないご病気からその症状が出ている可能性が高く、そのような症状の改善には患者さんの残存能力とたゆまぬ努力が鍵となります。

リハビリを取り入れ定期的に運動を行った結果、「筋ジストロフィーを長く患い最近は寝たきりだったのにとても元気になり、もう一度歩くことができた!」というよう喜びの声を聞くことも治療をしていると実際にあります。

筋原性、神経原性など進行性の難病が原因で症状が出ている場合は機能回復を目指すという観点では対応しかねますし、原因不明の難病ゆえに現代医学ではその進行を止められません。

しかし、筋萎縮性側索硬化症(ALS)などの難病であっても現状をキチンと把握してご家族や患者さんに適切な説明をして対応することで、四肢の関節拘縮を防いだり、全身の血流をよくして筋肉を柔らかくする体調管理に関わることがあります。

「筋ジストロフィーでは歩行を目指すこともあるのに、筋萎縮性側索硬化症(ALS)では出来ないことが前提なのか。」思うかもしれないですが、そうではなく「ご病気を理解して患者さんの現在のお身体にあった治療をすることが安全に施術を行う上では最も大切なこと。」なのです。

疲労した筋肉を活性化させ、その人の残っているの能力を最大限に活かすという点では、筋ジストロフィーはリハビリとの相性がとてもよい疾患なのですが、だからといって運動で病気の進行を止めることはできませんし、病気の進行と共にリハビリ内容を再検討して流れに逆らわず対応していく必要があるのです。

患者A

進行性の難病だとリハビリをしても無駄なのかしら?

まさし院長

どのような疾患でも筋力を維持して身体機能の改善に努める努力が必要です!

筋肉も環境に適応する

骨格筋は「使わずにいると萎縮するし、反対に使えば肥大します。」これは筋肉がその環境に適応したと考えられ、車いすや寝たきり生活で筋肉の活動が制限されると、その環境に適応して個々の筋線維のサイズの縮小と筋線維数の減少によって筋容積が減ってしまうのです。

「半身に麻痺があるから私はもう動けない。」「難病を抱えて身体がしんどいのでリハビリなんてしたくない。」と動くことを諦め不動のまま過ごしていると、そのうちに手足が細くなって筋萎縮を起こしてしまうのにはそういった理屈があるのです。

廃用症候群は筋萎縮と特に密接に関係しており、骨格筋は何らかの原因で萎縮してしまいますので早めの対策が大事です。

環境に適応するって素晴らしい言葉ですが、今回のようにマイナスな意味で環境に適応するのは避けたいです。

患者B

手足が動かしずらくなって悩んでいたのですが、今からリハビリをやっても間に合うのかな?

まさし院長

早期に始めるのがベストですが、いつからリハビリを開始しても大丈夫ですのでそう思ったのであれば早めに予定を組んで機能回復訓練をはじめましょう!

後悔しないためのリハビリ

リハビリを継続的に行うかどうかは患者さん次第です。

運動すれば筋肉が太くなる可能性が少しでもあるなら筋委縮を防ぐためにも早急にリハビリを開始するべきですし、難病でも諦めずにリハビリを続けた方が予後はよいはずです。

前向きにリハビリに取り組む患者さんと、愚痴ばかり言ってリハビリを放棄した患者さんを比較すると、運動をやらなかった患者さんの予後はとても悪いです。

施術者の目線でお話すると、「数年前に運動すると決めて前向きにリハビリに取り組んでいたら、きっとこんな状況にはまだなっていないのでは。」と思ってしまう患者さんが時々いて、後からふと考え落胆することもあります。

運動との相性はご病気の種類にもよりますし、まだ発見されていない隠れた疾患もあるかもしれないので施術で関わっても無理にリハビリをやらせることはせず、注意喚起をしながらご本人の意思に従って施術方針は考えていきます。

身体がまだ動く時には「リハビリなんてやらなくても何とかなるから大丈夫!」と強気の姿勢を崩さない患者さんも、病気の進行や年齢的な要因からベッドに横になる時間が増え、関節の動きが悪くなり手足の関節が固まり出すと途端に慌て出します。

確かにリハビリは思い立った時に行えばよいのですが、「リハビリが必要だから身体を動かしましょう。」と介護や医療の専門家に促されても聞く耳を持たずに状況が悪くなるまで後回しで放っておいた方は、状況が悪くなってから慌てても身体的な回復は思ったようにいかないことが殆どです。

後から後悔しないためにも身体の状態がよいうちから、早めになんらかの運動を行うことをお勧めします。

患者A

主人が頑なにリハビリを拒むのは何故なんだろう?言動や行動も最近おかしいけど何でなのだろう?

かえで

高齢者の場合は認知機能の低下によって様子がおかしい場合もあるので、その辺りも意識して病院で検査をされるとよいでしょう。

まとめ

筋委縮の定義について調べていたら文章にまとめてみたくなり、私の経験を交えて記事を書いてみました。

患者さんに施術効果について聞かれた時、運動をキチンと行った場合と運動をやらなかった場合の比較ができないので、どれだけ維持又は回復するかの目安は伝えずらいです。

筋肉が細くなっていても機能的に正常なのであれば、筋肉は動かせば動かした分だけ強くなるものなのですが、大きな病気の後には麻痺や関節拘縮が起こり、そういった状態から機能の再獲得が上手くいくのかどうかなんて誰にも分からないのです。

その人の未来を予測して説明をするのは難題過ぎるので、私は過去の経験を元に同じご病気の患者さんはどのようにリハビリと向き合い苦難を乗り越えてきたのか、その時の回復の度合いや失敗談などについて語り「一緒に機能訓練を頑張りましょう。」と励ますことで対応しています。

往診で施設やご自宅に伺う患者さんの場合は筋委縮だけでなく、筋麻痺や関節拘縮などの症状も同時に出ている場合が殆どなので、問題解決に向けては患者さんとしっかりコミュニケーションを取りながらその時の状況に合わせて最善を探っていきます。

進行性の難病の場合はどのような経過を辿って病気が進んでいくのかが宿命的に決まっているので、病気の進行具合に合わせて適切な対処をすることが大事です。

お問い合わせ先、愛知訪問マッサージ・リハビリ

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