腰椎椎間板ヘルニアと脊柱管狭窄症、自然に治ることはある?

腰椎椎間板ヘルニアと脊柱管狭窄症、自然に治ることはある?
身体に備わる自己再生力
人の身体には、傷んだり古くなったりした細胞を修復したり新品に交換したりする自己再生力が備わっています。
例えば、転んで足にスリ傷ができた時に、人は身体に備わった再生能力により壊れた細胞を元に戻そうとします。
しかし、細菌などの外敵は細胞を攻撃して再生を妨げるのですが、白血球などが外敵と闘っている間、壊れた細胞はどんどん自己再生し、やがて傷は完治するのです。

このような自己再生力は腰の疾患でも同じで、無意識のうちに悪くなった患部を身体は常に治そうとしているのです。

腰椎椎間板ヘルニアは自然に治るのかしら?

腰痛改善には各疾患の特徴を知ることが大事です!
大半は自然に治癒する
腰痛でよくみられる腰椎椎間板ヘルニアの場合、血液中の白血球の働きによってヘルニアが退縮していくケースが多々あります。
ヘルニアとは椎間板の中にある髄核が飛び出た状態のことで、椎間板の内部にある髄核というゼリー状の組織が一部飛び出して、神経を圧迫するため痛みが出ます。
特に多く発症するのが10~40歳代の若い世代です。
症状が強い急性期は鎖痛薬や湿布を貼って安静を保ち、痛みやしびれが和らいできたら徐々に日常動作を行うようにすることで、大半の人は手術をせずに回復しています。

急性期は安静が大事なのね!

手術はできれば回避したいの~
早期の発見と治療が大事です
では、脊柱管狭窄症の場台はどうでしょうか。
脊柱管狭窄症は加齢とともに脊柱管が狭くなり、その中を通る神経が圧迫されて痛みが起こる病気です。
急激な症状の悪化は稀ですが、時間をかけて背骨の変形や椎間板の変性、靭帯の肥厚などの進行が起こります。
病気の進行は背骨の老化現象とも言え、痛みやしびれなどの症状も、徐々に悪化していく傾向にあります。
痛みやしびれの悪化を避けるためにも、脊柱管狭窄症の治療では、早期発見・早期治療が大切になります。
「安静にしていればそのうち治ると思うから放っておこう。」「動くの面倒くさいし、もうどうなってもいいや。」など、早々に諦めたり現実逃避するのではなく、なるべく早く、初期の段階で治療やセルフケアを始めることが大事なのです。
早めに治療やセルフケアを始めれば、それだけ脊柱管狭窄症の進行を抑えることができ、健常な生活を維持することにも繋がるのです。

治療やセルフケアはどうすればよいのだろう?

専門家の意見を聞きながら行うと間違いないでしょう!
まとめ
脊柱管狭窄症と鍼灸マッサージは相性がよく、ご自身でのセルフケアが行き届かない部分は専門家に任せた方が上手くいくでしょう。
早めの治療とセルフケアと言っても、そもそもの考え方が間違っていたり、早く治りたい一心で無謀な運動をはじめてしまっては状態を悪化させる可能性が高まってしまいます。

長年腰痛の治療を行っていて感じるのは、脊柱管狭窄症の患者さんは回復の見込みが多いにあるのに、運動とはこういう物だという先入観や思い込みから間違った選択をよくされるということです。
私が脊柱管狭窄症の患者さんの治療をする時にはその先入観や思い込みを修整していくことも同時に行っていきます。
回復には手順があり、順序を間違わず正しく腰のケアをすれば、たとえ外出が困難な方でも半年ほどでまた外を歩くことが可能になる場合があります。
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