パーキンソン病の原因と治療法、適切に治療すれば予後は悪くない

パーキンソン病の原因と治療法、適切に治療すれば予後は悪くない

パーキンソン病の治療法

パーキンソン病の治療法では、病勢の進行そのものを止める治療法は現在までのところ開発されていません。

全ての治療は対症療法であるので、症状の程度によって適切な薬物療法や手術療法を選択することになります。

大きなご病気をされた時に「病気を根本から治したい。」と思う気持ちはみなさん同じだと思うのですが、なかなか特効薬というまでの治療法って生まれないものなのですよね。

ただ、パーキンソン病は薬の種類が豊富でご自身に合う薬を探せすし、最近では手術療法の手段も増えました。

そんな治療法の選択肢が増えつつあるパーキンソン病では、実際にどのような治療法が行われているのか、予後はどうなのか、解説していきたいと思います。

患者A

パーキンソン病を治す方法はないの?

まさし院長

今のところ全ての治療は対症療法です!

パーキンソン病の原因

パーキンソン病の原因は現段階では不明ですが、いくつかの仮説が提唱されています。

また、家族性パーキンソニズムの原因となる遺伝子異常が関与することや、環境因子が影響することも明らかとなっています。

まるちゃん

原因が早く解明されて欲しいの~

薬物療法

パーキンソン病の薬物療法は、現在大きく分けて8グループの治療薬が使われています。

それぞれに特徴があり、必要に応じて組み合わせて服薬します。

パーキンソン病治療の基本薬はL-dopaとドパミンアゴニストです。

早期にはどちらも有効ですが、L-dopaによる運動合併症が起こりやすい若年者は、ドパミンアゴニストで治療開始すべきです。

一方高齢者(一つの目安として70〜75歳以上)および認知症を合併している患者は、ドパミンアゴニストによって幻覚・妄想が誘発されやすく、運動合併症の発現は若年者ほど多くないのでし-dopaで治療開始して良いとされています。

パーキンソン病にはさまざまなお薬があり、その服用が治療のメインとなります。

それぞれの薬に特徴があり、患者さんの症状や年齢、活動度に応じ、医師が、薬の種類、服薬量、組み合わせを考えて医師が処方します。

患者B

どんな薬を飲めばよいのだろう?

かえで

パーキンソン病の薬は副作用も大きいので、患者さんと専門医が細かく薬の調整をする必要があります!

どんな手術が行われる?

パーキンソン病の手術で現在行われているのは、以下の二つの手術になります。

  • 定位脳手術
  • 脳深部刺激術

いずれも年齢制限はなく、これ以上進行すると社会生活が送れなくなる、生活全般で介助が必要となる少し手前で行われるのが一般的です。

しかし、手術を行うことで症状が改善されても、薬がまったく不要になることはありません。

定位脳手術

定位脳手術とは、頭蓋骨に固定したフレームと、脳深部の目評点の位置関係を三次元化して、外から見ることのできない脳深部の目標点に正確に到達する技術で、脳の視床といわれるところや淡蒼球といわれるところに電流を通し、熱で神経細胞を凝固・死滅させる方法です。

視床凝固術は振戦や筋固縮、および L-ドーパの長期使用によるジスキネジア (不随意運動 )に、淡蒼球凝固術は振戦や姿勢反射異常、ジスキネジアに有効とされており、うまくいけば一回の手術で症状の改善が期待できます。 

一度死滅させてしまった神経細胞は回復できませんので、その辺りのデメリットも理解しておきましょう。

合併症として脳内小出血が起こり、手術した反対側がマヒする場合があります。 

脳深部刺激術

脳深部刺激術は、最近新しく行われるようにった手法脳の淡蒼球や視床下核に電極を埋め込み、電気刺激を送って過度に流れる情報を遮断します。

振戦、筋固縮、姿勢反射異常、すくみ足などの歩行の改善、 L—ド—パの減量など幅広い効果が期待できます。

手術は二回に分けて行われ、脳に電極を埋め込む手術を行い、鎖骨の下に発信器を埋め込み、コードを脳内の電極とつなぎます。

安全性は高いとされていますが、合併症として脳内出血や術後の感染症などが起こることがあります。

埋め込んだ電極は、再び取り除くことができます。

手術療法も症状を緩和する対症療法なので、病勢の進行そのものを止める治療法ではないですが、服薬とは異なり持続的に治療効果を発現させることができます。

ひろと

脳深部刺激術が行われるようになり、治療の幅が広がりました!

ゆづき

治療手段が多いのは患者さんにとって救いですよね!

パーキンソン病の予後

パーキンソン病自体は進行性の疾患です。

患者によって進行の速さはそれぞれであるが、一般的に振戦が主症状だと進行は遅く、動作緩慢が主症状だと進行が速くなります。

適切な治療を行えば、通常発症後 10 年程度は普通の生活が可能です。

それ以後は個人差があり、介助が必要になることもあります。

しかし生命予後は決して悪くなく、平均余命は一般より 2~3年短いだけです。

高齢者では、脱水、栄養障害、悪性症候群に陥りやすいので注意しましょう。

生命予後は臥床生活となってからの合併症に左右され、誤嚥性肺炎などの感染症が直接死因になることが多いです。

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