レビー小体型認知症は原因がパーキンソン病と同じαシヌクレインで、それゆえに症状も似通ることがあります

レビー小体型認知症は原因がパーキンソン病と同じαシヌクレインで、それゆえに症状も似通ることがあります
頭の中で何が起こっている?
レビー小体型認知症は、αシヌクレインというタンパク質が集まって神経細胞の中でレビー小体という固まりを形成します。
αシヌクレインも、分解しにくいタンパク質の老廃物であり、これが神経の働きを阻害して認知機能を低下させていきます。

レビー小体型認知症では、レビー小体が脳の大脳皮質や、脳幹にたくさん集まります。
レビー小体がたくさん集まっている場所では、神経細胞が壊れて減少している為、神経を上手く伝えられなくなり、認知症の症状が起こります。

レビー小体型認知症は大脳皮質と脳幹の神経細胞を破壊するのね!

パーキンソン病とよく似た症状が現れます!
レビー小体型認知症の特徴的な症状
レビー小体型認知症は、アルツハイマー型認知症の次に多い認知症で、全体の約20%を占めています。
男性が多く発症し、女性の約2倍と言われています。
特徴的な症状として、筋肉がこわばり手が震える、小刻みに歩く、気絶、失神などの身体症状があります。
周囲の安全等を考えることなく行動する場合があるので、放置すると危険です。
また、「幻覚 (幻聴、幻視 )」や「妄想」も、この病気ではよくあることです。
例えば突然、誰もいない方を指さして、「そこに5年前に死んだ祖母が座って笑いかけている。」などと言ったりするのでそれを聞いた人はビックリするでしょうけど、それは脳神経の異常からくるものなのです。

あるはずのない話なのですが、「誰もいません。いる訳ないですよね!」などと頭ごなしに否定したりするのはよくありません。
患者さん本人の状態によりますが、この人にはそう見えるんだと理解してあげる方がいいようです。

誰もいないのに「そこに人がいる!」と言われたらぞっとするかも💦

適切に対応する為にも、レビー小体型認知症ではどんな症状が出るのかしっかり理解しておくことが大事ですね!
パーキンソン病とよく似ている
原因物質の αシヌクレインは、大脳全体に点々と付着していきます。
この物質はパーキンソン病の原因物質でもあり、この2つの病気の症状はよく似ています。
パーキンソン病は脳幹にレビー小体が集まるのに対して、レビー小体型は大脳皮質に集まります。
病院で検査してもらった結果、パーキンソン病と診断されたのに、後にレビー小体型認知症と訂正されることもありますし、2つの病気が合併しているという事もありえます。

日によって、時間帯によって体調が変わり、認知症状も変わることがあります。
体調は日によって変わり、調子がよいと体を動かそうと努力されよく話もするのですが、翌日は状況が180度変わっており、理由なくぐったりして会話にならない、という状況が続きます。
リハビリをしようにも体調が悪い時には動くことが殆どできず、ご本人のやる気とは関係なく動けないような印象を受けます。
ご本人も「なんで今日は調子が悪いのだろう?」と言われますが、体調の変化については誰も答えを出すことができません。

確かに「パーキンソン病も入っているかな?」と思うことはあります。

両方とも、αシヌクレインの蓄積が原因なので症状も似通ってきますよね。
まとめ
日によって、時間帯によって体調が変わるのはリハビリを行う上ではかなりネックになってきます。
ご本人もリハビリの意識は高かったりするのですが、体調のすぐれない日が続くと筋力の低下があっという間に進んでしまうことがあります。
長い年月、体調の良い日と体調の悪い日を繰り返せば当然のように足腰は弱ってしまいます。
そういった状況でもトイレで用を足したいという意識が高い場合は、出来るだけ手伝ってご本にの意志に沿ってあげた方が患者さんの「生活の質」は上がるのではと思います。

体調が悪くてもご自身が「何としても動くぞ!」と思い執念を燃やしてやられているのであれば、それはなるべく手伝ってあげたいと思いますよね。
とはいえ、寝たきりの患者さんの場合にそれを実現するには人の手が要りますので、毎日のトイレへの移乗は大変な労力を要します。
患者さんが寝たきりで、ご自宅でトイレ介助する場合は、なるべくヘルパーさんなどを上手く活用しないとご家族の身体がまいってしまいます。