認知症の周辺症状を理解しよう 暴言や暴力、妄想や幻覚、徘徊の解決策

認知症の周辺症状を理解しよう 暴言や暴力、妄想や幻覚、徘徊の解決策

認知症の中核症状に要注意

認知症は中核症状より、周辺症状の方が介護者の心的疲労や、身体的疲労につながりやすくなります。

実際に認知症になっていく過程をみていると、認知症はご本人も辛さを抱えてみえますが、それ以上に介護をしているご家族に負担がかかります。

おかしいと思ったらかかりつけ医に相談することと、認知症がどのようなものなのか中核症状と周辺症状を理解しておくことでしょう。

認知症と診断されればそれなりの心構えはできるでしょうし、患者様のご様子と周辺症状を照らし合わせて対応することもできるのではないでしょうか。

「認知症の中核症状と周辺症状」の図を見るとわかるとおり、周辺症状は時として非常に深刻です。

ご家族

最近、暴言と暴力がひどいのよ!

まさし院長

被害妄想なのか、向こうはあなたの暴言がひどいと言ってます💦

精神的に参る暴言や暴力

周辺症状の中で特に困るのは暴言や暴力でしょう。

認知症によって前頭葉の神経細胞がダメージを受け、その機能が低下してしまうと、感情のコントロールが難しくなってしまいます。

感情のコントロールができないので、介護者や家族に対して過度に攻撃的になり、暴言を吐くようになり、暴力を振るわれるというケースも珍しくありません。

私が受け持っている患者様の場合、何かしらの不安を抱えた時に感情が爆発してしまう傾向にあり、その不安が解消されるとまた落ち着きを取り戻します。

そういう時にはご自身の感情優先で、周りへの配慮は何もなく怒り、うまく伝わらないと怒鳴ります。

私は一日のうちに往診時間は30分程度なのでそれ程のストレスは感じませんが、何かあるごとに対応しないといけないご家族はたまったものではありません。

キチンとした対応を知らないと患者様にとってもご家族にとっても不幸でしかないと現場をみていて思います。

患者A

なんで分かってくれないの?

まさし院長

何か不安に思っていることはありますか?

怒る、大声や奇声をあげる場合の対応

先ほども申しましたが、患者様が暴言を吐いたり暴力を振るう場合にはそれなりの理由と状況があるかと思います。

何かに不安を感じていて、それが引き金となって怒ったり、大声や奇声をあげる場合には、そのストレスを見直すことが大事です。

以前にお薬が自分の思っていたものと違ったことが原因で半ばパニックに陥った患者様がみえました。

舌が麻痺しているのか言葉の出にくい患者様で初めて対面する人は何を言っているのか全く聞き取れない方です。

たまたま私が現場にいて対応できたので、患者様、ご家族、調剤薬局の橋渡し的に間に入ったところ全て解決しました。

半狂乱という言葉がピッタリの状況だったのですが、事態が終息すると何事もなかったかもような日常に戻りました。

しかし、問題が解決した後も患者様や家族は心底このやり取りに疲れたご様子でした。

こうした場合には以下のことを見直し、様子を見てみましょう。

  • 介護する人を変えてみる
  • 落ち着ける環境に移動する
  • 体調に異常がないか確認する
  • 本人が置かれている環境などを見直してみる

ご家族が私のように対応できなかった理由としては、「またか、私は関係ない。」「自分が伝え間違えたから仕方ないだろう。」患者様の身になって話を聞いていないところにあります。

日々の介護に疲れ果ててそういった対応はできないのかもしれませんが、問題が解決しない限り患者様の不安も消えないことでしょう。

患者様の不安視する問題を的確に解決するのはなかなか難しいことですが、何かあるから怒鳴ったり大声を上げている場合もありますので、その辺りは注意して問題を解決の糸口を探していきたいですね。

ご家族

いったい何が不満なのよ!

まさし院長

怒ったり大声や奇声をあげる場合は何か理由があるかもしれません。

幻覚や妄想で暴れる

患者さんは着替えや入浴などの介助を嫌ってあばれたり、妄想や幻覚をもとに大声で怒鳴ったりということがあります。

以前に対応したことがある男性の患者様なのですが、夏でも入浴を好まず使用済みのオムツをベッドに溜めていている人がいました。

この方は妄想や幻覚の症状があり、ご家族にはとても攻撃的なので私が中間に立ってやり取りの橋渡しやベッドのオムツの方付けをしていました。

患者様は着替えず、入浴せず、不潔きわまりない状態でも全く気にしません。

こういった場合は対話を重ねて解決することは難しく、清潔にすることの大切さを説明し、機嫌を伺い、やさしく介助しようとしてもなかなかうまくはいきません。

ただ、時々素直にいう事を聞いてくれることもあるので、信頼関係を築きながら、根気よく声掛けをしていくしかないでしょう。

ご家族

なんでお風呂を嫌がるの?

まさし院長

不潔な状態でいる理由は最後まで謎ですよね💦

同じ話を繰り返す

認知症の方は同じ話を繰り返すことが多々あります。

毎日相手していると「何度同じことを言うんだ!」「はいはい、わかった。」と邪険に扱いになりがちです。

同じことを話す場合でも、できる限りはじめて聞いた話のように相槌を打ってあげましょう。

患者C

ワシの飯はまだかの~

ゆづき

さっき食べたばかりなので、もう少ししてから御飯ですよ!

介護拒否/服薬拒否

環境の変化に大きな不安を抱えたり、妄想症状などが見られたりする場合や意欲が低下している時は介護、受診、服薬などを拒否することがあります。

認知症の影響かどうかは分かりませんが、「このヘルパーは介助が下手だから嫌!他のヘルパーに変えて!」「あの病院にはなるべく通院したくない。」など好みがハッキリしている患者様は時々みかけます。

そういった場合は結局ヘルパーが変更されるのですが、身体介護の過程で何かしらの溝ができ、その後のケアがより困難になった例なのだと思います。

先ほども薬について書きましたが、ご本人が望んでいない薬を出された時など激しく拒否反応を示すことがあります。

どうして本人が嫌がっているのかは話を聞いているとしっかり答えることが多いので、そういった話を元にして今後の対策を立てていくとよいのではないでしょうか。

患者様と話をしていると、拒否する背景には介護や医療にたいしてのこだわりと妥協の無さを感じることがあります。

ご家族

不満や文句がやたら多いのよね!

かえで

患者さんなりに状況を改善しようと頑張っているのかもしれません。

徘徊をする

認知症の患者様を抱えるご家庭にとって徘徊も非常に難しい問題でしょう。

事故や事件などに巻き込まれる可能性がある徘徊は、家族にとって大きな不安の素となります。

理由はわからないのですが、患者の多くは「どこかに帰ろうとする」傾向にあり、夕方になるとよく出かけようとします。

自宅から外に出てはみたものの、道に迷って帰れなくなり、何十キロも離れたところで保護されたり、そのまま行方不明になってしまう人も少なくありません。

徘徊が起きる要因としては、役割喪失により、今いる場所に安心感を抱けないことが挙げられます。

問題解決には、本人の気持ちをじっくりと聞いて徘徊する背景を探ってみることも大事です。

認知症によって行方不明になる人は、年問約 1万人です。

認知症のご家族が万が一行方不明になることに備えて徘徊センサーを活用したり、服や靴に連絡先・氏名がわかるように書いたりしておくのも手でしょう。

患者B

私はダレ?ここはドコ?

ひろと

なぜ徘徊するのか理由を本人に聞いてみよう!

まとめ

認知症は高齢化に伴って増加の一途をたどり、介護疲れから起きる殺人事件、無理心中事件は今時珍しくありません。

私を含めて他人事ではなく、もし家族がそうなったらどうするか、自分が認知症になったらどうするのか、全ての人が考えておくべき課題といえます。

私は往診の仕事を始めてかれこれ18年が経とうとしています。

足腰が弱った高齢者を対象に仕事をしていると、認知症の初期症状から状況を見守ることが多々あります。

いたって普通のご老人が突如として「ここだけの話、通帳を誰かに盗まれた。」「お金も取られている。」「犯人はヘルパーさんかもしれない。」等と言い出したり、外出先でお店のトイレを汚して逆切れして迷惑をかけて帰ってくるようになったり、性格が変化し怒りっぽくなる患者様もみえます。

中には「うちの旦那は認知症だと思う。」とできない理由を言い人のせいにして、自分が認知症になっていることに気が付いていない高齢者もいます。

認知症は本人に自覚がなく症状が進んでいきますので、異変を感じたらなるべく早く医療機関に相談して、ご家族は認知症の予備知識をしっかり身に付けて対応することが長期の療養では大事になってくるのではと思います。

Follow me!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。