パーキンソン病、なぜドーパミンが減少してしまうのか

パーキンソン病、なぜドーパミンが減少してしまうのか
ドーパミンの減少が原因です
パーキンソン病は神経と神経の間の情報伝達物質であるドーパミンを作る黒質が変性・消失する疾患で、運動の調節ができなくなり、ふるえ(振戦)や運動時の筋の抵抗(筋きんの固縮)、小刻み歩行などの症状が現れます。
現代の医学ではパーキンソン病の原因が解明され、その治療法も増えてきております。

パーキンソン病はドーパミンの分泌がうまくいかずに減少することによって起こります。
ではなぜドーパミンが減少してしまうのでしょうか?
脳の中でいったい何が起こっているのか、パーキンソン病の患者様やご家族がまず知りたいのはそこなのでしょうし、原因が分かればそれについて対策を考えられるというものです。

ドーパミンが減ってしまうのはなぜ?

中脳黒質の働きを知るとその答えがみえてきます!
ドーパミンはどこで作られる?
まずはドーパミンとは何なのか、食事をする中でどのように生成されているのか知りましょう。
ドーパミンは、脳幹の中脳にある黒質という器官で作られています。
黒質は相互接続された核の回路である大脳基底核の一部で実際に黒く見える組織であり、各大脳半球に1つずつあります。
成人の脳は1,000g以上ありますが、このうち黒質が占める重量は二つ合わせて1g程度しかありません。
脳全体からするとその大きさはとても小さいといえますが、身体を正常に動かすためにはとても重要な役割を持っているのです。

小さくても大切な働きをしているんじゃの~

パーキンソン病はなにが原因かハッキリしている病気です!
パーキンソン病が起こる仕組み
ドーパミンとは何か、黒質がどこにあるか分かったところで、次はパーキンソン病がどのような仕組みで起こるのかをみていきましょう。
黒質の神経細胞からはそれぞれ長い突起が出ていて、線条体とつながっています。
その突起の先から線条体に向かってド—パミンが分泌され、 線条体の神経細胞にある受容体 (センサー )がそれを受け取り、運動指令を出していきます。
このシステムが正常であれば人は日常生活を問題なく過ごせるのです。

病気にならなれば考えることもないような脳の繊細な仕組みですが、何らかのきっかけで黒質の神経細胞が変性をきたし減少すると、黒質で産生されるドーパミンの絶対量が減って、線条体への供給量も不足していきます。
ドーパミンが減ると「体を動かそうとする力」が「動きをおさえようとする力」を下回りパーキンソン病が起こるのです。
パーキンソン病の原因はドーパミンの分泌がうまくいかなくなるからです。

黒質で作られるドーパミンの量が減ったのが原因だニャ!
若いうちからドーパミンが減少
神経細胞は加齢とともに少しずつ減少していくのは健康な人でも同じですが、パーキンソン病の患者さんの場合、ドーパミンを作る黒質の神経細胞が普通の人より若いうちから減少し、脳の中のドーパミン量が少なくなります。
一般的にパーキンソン病の症状が起こるのは、ドーパミンの量がもとの20%以下に減少した時と言われています。
また、自立神経症状は、中脳の黒質以外の縫線核、青斑核と呼ばれる組織に変性が起こると出現することもわかっています。

社交的に人生を楽しんでいる人は病気になりにくいかも!

食事の栄養バランスも重要ですよね!
まとめ
パーキンソン病になって嘆いているより何かご自身で出来る対策をすることも大事で、ドーパミンが不足するのは、ドーパミンの材料となる栄養素が不足してドーパミンが作られないことも原因の一つです。
ドーパミンに必要な栄養素は、アミノ酸である「チロシン」を体内で変換することでドーパミンが作られます。
また、神経伝達物資を合成するために「ビタミンB6」も必要なので、チロシンと共に摂取することで、ドーパミンが効率よく作られます。
栄養管理はご病気になる前から気を付けたいところですが、食事の栄養素も重要なポイントと言えるでしょう。

ドーパミンは神経伝達物質というように脳内で情報を伝達する物質で、ドーパミンの分泌が多くなると活動的になりやる気も出ます。
慢性的なストレスが続くと身体に悪影響を及ぼすのは皆さん何となく分かると思うのですが、仕事や人間関係などで問題があることで、脳はドーパミンの「やる気を出せ!」という要求を無視してしまいます。
これにはストレスホルモンのコルチゾールが関与していて、生存のために重要でない情報を遮断し、問題となる出来事への記憶を高めるという働きがあるためです。
そういう理由から、ストレスの元となる問題が解決できていないと、やる気も沸いてこないでしょうし、何かよくない変化が身体に出ることもあるのです。
バランスのよい食事を摂って、心を平安にして療養することが病気を悪化させないためにはとても重要だといえるでしょう。