認知症とはどんな病気か知り、早めに対処しよう

認知症とはどんな病気か知り、早めに対処しよう
痴呆症と認知症
ひと昔前は「認知症」は「痴呆症」などと呼ばれていましたが、「痴呆」という言葉は、差別的なニュアンスがあるとして、 2 0 0 4年に厚労省の呼びかけで「認知症」という名称に変わりました。

超高齢化社会が到来し、高齢者の人口も右肩上がりに増え続けています。
両親や知人などが高齢になり、認知症になっていないか心配でならない方も多いことでしょう。
みなさんがよく耳にするようになった「認知症」という言葉の「認知」の意味を知ると、認知症の初期のサインを見逃すことなく対処できますので、この機会に覚えておきましょう。
突然の訪問者
20年以上前の話なのですが、ご老人が予約もなく治療院にふらっとやってきて待合室の椅子にずっと座っているので、「ご予約はされているのですか?」と聞くと、「予約はしていないがマッサージをお願いしたい。」というので、たまたま時間があいていたスタッフが施術を行いました。

施術料金は後払いですので、マッサージの施術が終わって料金の支払いの話をすると、「お金は持っていない!家に忘れてきた!」と言うのです。
話がまったく嚙み合わないのでご家族に電話で連絡して来てもらったのですが、「おじいちゃんは最近ずっとこんな感じなので、マッサージを受けたいとまたここに来ても断って追い返してください。」という話でした。
今考えると、そのご老人は認知症の初期段階だったのかもしれません。
当時は私の周りの高齢者はしっかりしている人が多かったので、その場は穏便に済ませましたが、対処に困る出来事でした。

認知症という病名は最近になってよく聞くようになったと思ったら、2004年からなんですね!

認知症という言葉が広まって、行動のおかしな高齢者への対処もしやすくなったように思います!
認知症ってなに?
認知とは、漢字からは「認め知る」ということになりますが、いったいどういう意味なのか、少し「認知」という言葉について考えてみましょう。
認知とは簡潔にまとめると、日時、季節、予定、外出といった事柄や、衣類、朝食、電車やバスといったものが何で、何をするものか、何のために行うのかということがわかっていることです。
例えば休日の朝、目が覚めると、あなたはどんな行動をとりますか?

私は、パジャマから外出する洋服に着替え、顔を洗い、歯を磨き、朝食を食べ、髪の毛を整えたりして、電車やバスの時間に間に合うように家を出ます。
一連の行動には、「朝は起きるもの。」という認識があり、「寝間着からよそ行き用の服に着替えて、待ち合わせ場所に行くのに相応しい恰好をして、時間通りに目的の場所に行かなくてはならない。」という認識があります。
それだけではなく、「気温や天候を判断して外出先に合わせた服を選んで着替えます。」、「出会う人に好印象を持たれるように顔を洗って歯を磨き、清潔にして外見を整えます。」「一日のエネルギーの源となる朝食を食べます。」「遅刻しないように時間を考えて出かけます。」という目的に沿った行動をします。
「そんなの当たり前じゃん!」と思うかも知れませんが認知症の方はこういった行動ができなくなってしまうのです。
この認知する能力に支障が起きるのが、「認知症」という病気です。
誰もが当たり前に認識し、当たり前にできることが次第にできなくなっていきますので当人にとってもご家族にとっても悲しい事態です。
年齢を重ねると認知機能は徐々に衰えるものですが、同じ年代の高齢者と比べると衰えがひどくなり、本人も周囲の人も困るほどであれば認知症の可能能性が高くなります。
あきらかに認知機能がおかしいと感じることがあれば、家族や周囲の人が主になって医療療機関への受診を急がれた方がよいでしょう。

当たり前のことが出来なくなるのが認知症なのね!

おかしいと思ったら早めに病院に連れていきましょう!
まとめ
認知症の特徴として、ご本にはいたって真面目で自分が認知症だという自覚はまったくありません。
だからこそ、ご家族や周りの人が早めにその異変に気が付いて適切に対処する必要があります。
中には認知症が進行しているのに自覚なく車を運転して、事故を起こしてから「何か様子がおかしい、認知症なんじゃないか?」という話になりそこで初めてご家族が気づくケースもあります。

この患者様の場合は、ガソリンスタンドで他人の給油中の車に低スピードで何度もこするような動きをしてから車を降りたようなのですが、もし交差点などで人をはねたりしていたらと思うとぞっとします。
そのような状態でも本人は自分が認知症だとは思っていないし、認知症だと言っても自覚しないのですから、認知症の一番の怖さはそこにあるといえます。
ご家族に高齢で一人暮らしをしてみえる方がいる場合には、認知症の始まりに早めに気が付くためにも、ご家族が定期的に訪れて様子を見るなどの手厚い対処が必要でしょうね。
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