【新事実】認知症予防、歩幅が狭いと発症リスクが高まる

【新事実】認知症予防、歩幅が狭いと発症リスクが高まる
平均寿命の推移と認知症
平均寿命が伸びた昨今で、多くの方が抱える問題の1つに「認知症」があります。
今回の記事では「認知症予防に効果のある予防策」について解説していきたいと思っておりますが、その前にまずは「平均寿命の推移」と「認知症高齢者の将来推計」についてみていきましょう。
日本人の平均寿命は2019年の統計によると男性が81.41歳、女性87.45歳となっています。
平均寿命はずっと伸びており、2040年には男性83.27歳、女性89.63歳になる見通しです。
医療が進歩したからこそ平均寿命は伸び続けている訳ですが、長寿で生きていられる確率が上がった以上、みなさんが望むのは健康に長生きをしたいということでしょう。
せっかく長生きしても身体を悪くしてしまっては身体的な衰えや痛みを抱えた辛い老後となってしまいます。
また、平均寿命が上がると無視できないのが「認知症」です。
身体は丈夫でも「認知症」になって自分が誰なのかも分からなくなってしまうのも望ましいことではありませんよね。


このままいけば2040年以降に女性の平均寿命は90歳超えそうですね。

長生きできるのはよいのだけど、認知症を前もって予防できないのかしら?
厚生労働省が出している認知症高齢者の将来推計では、2025年の認知症の有病者数は700万人に達すると予想しています。
この統計を見て思うのは、認知症を予防できるのであればキチンと対策をとって健康な老後をおくる準備をしておくべきではないかということです。

認知症予防に効果のある予防策とは
しかし、「認知症の予防をしよう!」と言われても、実際に何をすればよいのか見当もつかないですよね。
そんな認知症ですが、歩幅を広げて歩くことが認知症予防に役立つという研究が今注目されています。
運動すると身体機能が改善するのは何となく想像できても、認知症予防に歩幅が関係しているなんて考えもしませんでした。
歩幅を広くして歩くだけで認知症予防になるなら、試さない手はないですよね。
歩幅を広げる効用と方法については、国立環境研究所(茨城県つくば市)で研究がされています。

歩幅を大きくして歩けば認知症の予防になるのか!

世の中にはいろんな研究をしている人がいるニャ!
歩幅と認知症の関係
国立環境研究所の研究では、以下のようにとても興味深い研究結果が出ております。
歩幅が狭い人は広い人に比べ、認知機能低下のリスクが3倍以上であり、また、歩幅が狭い状態のまま年齢を重ねると認知症発症のリスクが2倍以上になることが明らかになりました。
この研究結果は素直にすごいと思います。
足をしっかり動かして運動することは成人病予防にも繋がりますし、高齢者だけでなく若い時からその意識を持って運動に取り組みたいですよね。
歩幅を大きくしたからといって全ての認知症を防げる訳ではありませんが、認知機能の低下のリスクにこれだけの差があるなら無視できない事実だなと感じます。

私はこの研究結果を聞いてからなるべく大股で歩くようしています。
自分が実際に歩幅を大きくして歩いて分かることは、意識しないとぜったいに大股でなど歩かないということです。
若い人も「認知症は自分の年齢に関係ない!」とせっかくの情報を無視せずに、いつか自分も高齢者になると自覚して今から体力作りをしておいた方がよいです。
運動を若い時にやってこなかったのに、身体の自由がきかなくなる高齢者になってから急に思い立って一人で運動しようとしても続けられる訳がないので、若い時分から運動する習慣をつけて運動器をしっかり使っておくことをオススメ致します。
また、一人で運動する手順に不安のある人は専門家の指導のもとで運動指導をしてもらいながら体調管理をされるとよいでしょう。
運動器は使うと機能が上がりますが、使わなければ機能が下がります。
高齢者になっていざ運動をやろうとしても足腰が弱ってしまっていては思うように運動なんてできないですよね。
足腰が弱っているだけならまだしも、運動する習慣が元々ない人が高齢者になってから健康のためにと運動を始めるのは何かと難しい面があります。
もちろん自分の年齢と体力に合った運動は可能なのですが、高齢者になると思ったように身体が動かなくなるのが現実でしょう。
嫌なことや面倒なことは後回しにせず、思った時に行動する癖をつけたいですね。
歩調ではなく歩幅が関係する
歩く速度は歩幅と歩調(テンポ)で決まりますが、認知機能と関連するのは歩幅であり、歩調は関連がありません。
健康な場合は全く気にすることのない歩行のメカニズムですが、歩幅の調整は、脳の中で多くの部位が関係してきます。
歩幅を広げて歩く時には足腰の筋肉を適切に使わないとバランスを崩してよろけてしまいます。
また、歩幅が狭くなっていてる場合は、脳のどこかで異変が起こっている可能性も考えられます。

普通に歩くというごく当たり前の動作も、脳に異常があると途端に難しくなります。
なので、歩幅を広げて歩くことができるのであれば脳は正常に機能しているとも考えられます。
脳のどこかに異変が起きないように、若いうちから前もって予防対策を行ないたいですよね。
学生時代は部活動で走り回っていた人たちも、社会に出ると様々な理由から動く機会が極端に減りますので、意識して運動する必要があります。
脳に異常がない方で、もし自分の歩幅が小さいと感じているなら、これを機に少しずつ運動の意識を持って歩幅を広げて歩く努力をされてみてはいかがでしょうか?
歩幅を広げるコツと運動のやり方
歩幅を広げて歩く時の目安は男女とも65センチです。
横断歩道の白線の幅が約45センチ、足のサイズを約24センチと想定した場合、一方の足の爪先を白線の手前に合わせ、もう一方の足で白線を踏まないように越えれば65センチという歩幅の目安をクリアできます。
言うのは簡単ですが、実際には年齢が高くなればなる程に難易度は上がります。
横断歩道を渡る機会が少ない方もみえると思うので、イメージはつくけど感覚的にはどれくらいの歩幅か分かりにくいかもしれません。
何事も順序が大切で、関節を痛めないためにもいきなり歩幅を大きく広げようとせず、時間をかけて広げていくことをお勧めします。

「いったいどうすれば歩幅は広がるの?」と思うかもしれませんが、その答えは簡単で”ウォーキング”を習慣にするとよいです。
普段通りの生活の中で歩幅を広くする努力はもちろん必要ですが、歩幅の小さい方の大半は運動不足も関係していおります。
歩幅を広くして歩くということばかりに囚われずに、基礎体力と下半身の筋力強化を普段から行っておくとよいでしょう。
筋力がつくと歩幅を大きくして歩くことは難なくできますし、足腰を強くしておかないと歩幅を大きくした時にバランスを崩しやすいと思います。
身体が慣れていないのに、いきなり全てを大きな歩幅で行おうとしても上手くいきませんので、簡単なやり方で身体を慣らしていきましょう。
脳に異変がないのであれば、毎日のウォーキングを習慣にすることで、歩行に関連する筋力は徐々に鍛えられますので、焦らなくてもそのうち大きな歩幅で歩くことはできるようになるでしょう。
自分の限界に挑戦するような運動ではなく、軽めの運動を長く継続した方が身体のためにはよいです。
認知症の発症の経緯
“アルツハイマー型認知症”という病名をみなさんは聞いたことがあるでしょうか?
アルツハイマー型認知症は認知症の多くの割合を占め軽度認知障害(MCI)の状態を経て発症し、約20年かけて進行します。
軽度認知障害(MCI)と診断された人のうち認知症を発症した人は約2割で、約5割は発症せず、約3割は回復したとの報告もあります。
軽度認知障害(MCI)の状態であれば、意識して歩幅を広げることで認知機能を取り戻せる可能性があります。
まとめ
車での移動が多い現代人はどうしても運動不足になりがちです。
また、新型コロナウィルス蔓延以降は度重なる外出自粛の影響で年齢問わず足腰が弱ってしまった方も多いのではないでしょうか。
国はテレワークを推奨しており、ご自身で意識して動かない限りは外出する機会も極端に少なくなっています。
また、高齢者は通所のデイケアやデイサービスに行くことを自粛したり外出する機会は激減してしまったのではないでしょうか。
若い人から高齢者まで、新型コロナウィルスの影響で身動きが取りにくい日々が続いています。
そういう私も新型コロナウィルス蔓延以降は外出自粛の影響で足腰が弱って体重が増加してしまいました。
その解決策として、毎日運動をすることを2ヶ月前に決心して実行しています。
運動はいつからでもできますが、なるべく早い年齢から毎日の習慣として定着させた方がよいです。
若いうちはサッカー、テニス、野球など人と繋がり楽しみながら運動が出来るのですが、年齢が高くなるにつれてそれを行う環境がどんどん狭まっていきます。
高齢者になると国の政策が絡まない限りは運動に関わる場所を確保できない場合も多いです。
運動を始めるのは簡単なのですが、問題は継続することが至難の業だということです。
認知症対策も兼ねて自分に合った長期間継続できる運動を早めに見つけておくと、歳を取ってから認知症になりにくくなるのではと思います。
定期的に運動を行うことで足腰の筋力が上がれば歩幅は必然的に大きくなります。
「認知症と歩幅の関係性」はとても有益な研究結果だと思ったので今回記事にまとめたのですが、ご自身やご家族の認知症対策として参考にして頂けたら幸いです。

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