食事面からフレイルを予防するための手引き、早期の対策が重要

食事面からフレイルを予防するための手引き、早期の対策が重要

フレイルの兆候を見逃すな!

フレイルは何もしないで放っておけば知らないうちに進行してしまいます。

ご自身では気がつきにくく一人で改善は難しいので、周りが気が付いて早めに対処してあげることが大事です。

こんな兆候が出たら早急に対策をとろう

・体重が以前に比べて減ってきた

・何をするにも面倒で疲れやすい

・美味しく物が食べられなくなった

さて、そんなフレイルですが、フレイルは早めに気づいて、適切な取組を行うことが大事です。

フレイルの兆候を見逃すな!

新型コロナ以降は不要不急の外出を控えるよう政府が要請を出しており、高齢者にとってはフレイルになりやすい環境が出来上がっております。

早めに対策することで、フレイルの進行を防ぎ、健康に戻ることができます。

※フレイルは、要介護状態に至る前段階として位置づけられますが、身体的脆弱性のみならず精神・心理的脆弱性や社会的脆弱性などの多面的な問題を抱えやすく、自立障害や死亡を含む健康障害を招きやすいハイリスク状態を意味します。

「フレイル診療ガイド2018年版」(日本老年医学会/国立長寿医療研究センター、2018)

要介護状態を防ぐには早めの対応が大事です!

小太りと痩せ、注意が必要なのはどっち?

山奥にドライブに行った時に出会った高齢者の警備員さんが、「新型コロナ蔓延以降は用事がないなら外に出るなと家族に言われて運動もろくに出来ないから、ブクブク太るし困っている。」と笑いながら言ってみえました。

小太りと痩せ、注意が必要なのはどっち?

この方は太る方向にいっているのでまだ良いのですが、反対に痩せてきた場合は要注意です!

意外かもしれませんが、高齢期が痩せた場合、肥満の方よりも死亡率が高くなるのです。

痩せている方が死亡率は高いというのは意外でした!

医師に相談して適切に対処しよう

65歳を過ぎて病気でもないのに痩せてきたら、メタボ予防からフレイル予防への切り替えどきかもしれません。

「病気でもないのに。」とは言っても、65歳を過ぎると身体の不調は何かしらあり、基礎疾患もいろいろ抱えますので動けない環境が整っていることが多く、早期のフレイルを見逃しやすい状況にあります。

一言でフレイル予防とはいってもむやみやたらに運動させるのではなく、専門的の意見を聴きながら適切に行ないましょう。

まずはかかりつけ医に相談することをオススメ致します。

BMIから身体の状況を確認

身長と体重から、あなたの体格を確認してみましょう。

(例)身長166㎝、体重56㎏の場合、BMIは下図の「★印の位置」となります。

この場合はBMIが21.5㎏/㎥未満に当てはまっている為、フレイルに特に注意が必要な状態です。

BMIから身体の状況を確認

※BMIが21.5㎏/㎥未満に当てはまる方や、やせてきた方は要注意です!

低栄養傾向の者の割合

私は最近運動をして2ヶ月で4kg近く痩せたのですが、沢山食べてガンガン動いて痩せる分には特に問題はないのは皆さんも分かると思いますが、フレイルのように動いてもいないのに痩せる場合は異常事態ですので注意が必要です。

その場合の「痩せ」は脂肪が少なくなったのではなく、筋肉が衰えて細くなっていると思われます。

丁度良い数値になるようにフレイル対策をしよう!

フレイル予防の三原則とは

フレイルを予防したい場合は3つのポイントを押さえる必要があります。

[その1]バランスよく栄養をとる

人間の元気の源は食事です。

車やバイクでもガソリンを入れなければ走らないのと一緒で人間も食事をしっかり摂らなければ動けません。

食事は栄養バランスを考えて3食しっかりとり、好物や美味な物を長く食べ続けられるように、お口の健康に気をつけましょう。

[その2]身体活動を活発にする

日々の生活で身体を動かすことは、筋力の維持増進を図るだけでなく、動くことで空腹感を感じて食欲が出てきたり、環境や状況の変化があったことで心の健康にも影響があります。

この記事を読んでいて「私はもしかしたらフレイルかも??」と思った場合は今より10分多く身体を動かす努力をしてみてください。

歩ける方なら近所を散歩してみてもよいですし、外出がしずらい場合はご自宅で出来る簡単なストレッチや運動を行なうとよいでしょう。

運動を継続的に長い期間おこなう秘訣は誰かと一緒にやることです。

夫婦一緒に歩くもよし、ご家族が声掛けしてご自宅で軽い運動をするもよし。

[その3]社会参加をする

何かしらのアクションを起こす時にはご自身の自主性ではなく、誰かが見守っていかないと運動の習慣はつきにくいです。

フレイル予防で最も効果的と私が思っているのはこの社会参加です。

趣味やボランティア、地域活動などを通じて社会とのつながりを持つことが大切なのですが、この場合は人との交流が生まれ楽しみながら出来るというメリットがあります。

特に趣味を通じて社会参加する場合は、自分の好きなことをする訳ですからとんでもなく身体が強く生まれ変わる場合があります。

私の患者で昔やっていた運動を障害者の集まりに混じって始めたところ、急速に身体機能が上がりました。

きっかけは私に「若い頃に卓球をやっていたのだけど、もう使えないからラケットとボールをあげる。」と言われたことでした。

「障害者卓球ならまだ出来るのでは?」「リハビリを兼ねてやってみてはどうですか?」と障害者卓球を勧めたのです。

卓球

声掛けをした時はご自宅の中での移動なら何とか出来る程度だったのに、障害者に混じって卓球をやり始めた時期からメキメキ身体が回復して、公共交通機関を使って一人で何処にでも行けるまでに回復しました。

あんな弱々しかった人が凄くパワフルな話し方に変わったので、趣味を持つことの大切さを感じる出来事でした。

筋力低下が気になってきた場合に、過去にやっていた運動に救われる方は多いです。

もちろん今から何か新しく始めてもよいですし、興味を持って楽しみを見つけた人は身体機能の回復も早いです。

また、ボランティアや地域活動への参加も身体を動かすだけでなく多くの人と接触する機会ができコミュニケーションの場が広がります。

何か目的を持って行動すると1日が終わった時に達成感が味わえてよいですよね。

何に興味を持つかは人それぞれで、大切なことは無理をせず、自分に合った活動を見つけることでしょう。

フレイルを予防する為のポイントを3つご紹介しました。

どれも身体の状態を整えるのに大事な事柄ですので、これらをバランスよく実践することが、フレイル予防に繋がります。

低栄養を解消してフレイルを予防しよう

食事法についてもご理解して頂く必要がありますので、具体的な食事のとり方について解説していこうと思います。

高齢者の食事において「低栄養」の解決が一番の課題です。

活動力の低下に伴って食欲もなくなる場合は多く、身体機能の低下と共に噛む力が弱まると食事の量が少しずつ減ってきます。

こういった場合は痩せてきたにも関わらず、自分ではしっかり食べているつもりだったりします。

運動もせずに痩せてきて、腹だけポッコリすると「お腹だけ太ってきた。」と言い出す始末です。

お腹が出てきた原因は他にある場合も多いのですが、じっと一人で考え込んでいるとポッコリ出たお腹だけに意識が集中してしまい、「お腹が太ってきた。」とご自身が太ったと勘違いされる場合もあります。

誰かがその間違いを正してあげないと、太ったからと食事量を減らしてみたり負のサイクルに陥ってしまいます。

必要な栄養素はまんべんなく摂ろう

食事量が減ると健康を維持するために必要なエネルギーやたんぱく質が不足しがちになります。

「いったい何を食べればよいの?」「健康によい食材はなに?」「私の病気が治る食べ物を教えて!」など人は短絡的に身体によい食材を探したりしますよね。

もちろん薬草のように身体によい食材は存在しますが、1つ1つにはそれ程の効力はなく、栄養バランスを考えて食事を摂った時に始めてと健康によい食事をしたと言えます。

食事バランスガイド

詳しくは栄養バランスガイドを参考にしながら食事を摂っていきましょう。

これだけ食べておけばよいという食べ物がある訳ではなく、全ての栄養素をバランスよく摂取することが食事面からみた体調管理では大切です。

低栄養を防ぐ3つの心得

・3食しっかり食べる。

・いろいろな食品を食べる。

・1日2回以上、主食・主菜、副菜を組み合わせて食べる。

フレイルになると気力がなくなり、免疫力や体力の低下するといった様々な不調が起こります。

低栄養を予防することはフレイルの予防に繋がります。

バランスよく栄養を摂ることやお口の健康を保つ意識が大切で、毎日の食事ではこの3つを意識して実行する必要があります。

美味しく食べる為にお腹を空かせる努力をしよう

簡単なようで難しいのが栄養管理です。

こうやって記事を書いている私自身も生活習慣の乱れから3食キチンと食べることは難しいですし、食えと言われて目の前に出されても食欲が沸かないと食べられません。

3食キッチリ食べるには、食事までの間にお腹を空かせておく必要があります。

若い時には仕事や子育てで忙しく動いているので生活リズムもしっかりしており、決まった時間にお腹が減るでしょうけど、フレイルになる高齢者は殆んど動いていないので、じっとしていて活動量が低いと当然ながらお腹は減りません。

ただ漫然と食事を出すのではなく、身体を動かす習慣も同時につけてあげないと、いくら美味しい物を出されても食欲など沸かないでしょう。

食べないのではなく、動いていないのでお腹が減らず身体がご飯を求めていない場合もあるのです。

高齢者の場合は基礎疾患を抱えている場合も多いので、どれくらいの運動をするかは医師と相談して決めてください。

新型コロナの感染予防をする

新型コロナウイルス感染症にも配慮する必要があり、食事では大皿料理を避け、個々に料理を分けて盛り付けするようにしましょう。

また、向かい合って座ることを避け、横並びに座るなどの工夫も必要です。

ちょっとの工夫で新型コロナウィルスの感染防止になりますので、小さなことからコツコツと感染さない努力を心掛けましょう。

缶詰めやレトルト食品を活用しよう

家事はホントに大変で、毎日料理を作るのも結構な手間ですよね。

そういった場合は、市販の総菜や缶詰、レトルト食品などを上手く活用しましょう。

味の好みもありますので、好きな物を聴きながら料理の一品に加えていくとよいでしょう。

配食弁当を活用しよう

作る手間を減らす有効な手段の1つおして、配食弁当があります。

バランスの整った配食弁当であれば、主食・主菜、副菜を手軽に組み合わせて食べることができますよね。

決まった時間にご自宅に届けてくれるのでとても有難いです。

一人暮らしやご家族の目が行き届かない場合には、配食弁当を考えてもよいのではないでしょうか。

たんぱく質を多めに摂ろう

フレイルでは筋肉量が減少してしまいますので、食事面からもその改善は図りたいてますよね。

筋肉を作りたい場合は、栄養学的な側面からはたんぱく質を多めに摂取するとよいでしょう。

たんぱく質を含む肉・魚・卵・大豆・乳製品をさまざまな組み合わせで食べるように心掛けましょう。

特に高齢者は、肉や卵が不足がちなので要注意です。

ビタミンB6(赤ピーマン、バナナに多い)と一緒に食べると効果的です。

まとめ

新型コロナ蔓延以降はフレイルの兆候が出ている方が多いです。

自宅に籠って楽しい事なんてしれていますし、外出して楽しみたいと思うのは皆さん同じですよね。

楽しい事だと自然に受け入れられて活動量も増えるのですが、高齢になればなる程にその受け皿も少なくなるように思います。

フレイルを早期に発見して予防する為には周りの目が重要です。

適切な運動と栄養管理でフレイルにさせない努力をしていきましょう。

また、プレフレイルやフレイルの状況に陥っている方は早急な対策が必要ですので、医師に相談しながら最善の方法を探ってみてください。

お問い合わせ先、愛知訪問マッサージ・リハビリ

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