重度知的障害の方のリハビリ

動ける可能性を秘めている
訪問医療マッサージでは、重度知的障害の患者様のリハビリに携わることもあります。
動ける可能性の残っている患者様にはなるべくリハビリを多く取り入れて施術を行うのが当院のスタイルです。
知的障害の方々はとにかく動くことが好きという印象が強いです。
この患者様は重度知的障害の男性ですが、声を掛けるとこちらの言うことをしっかり理解して動いてくれます。
日によってリハビリに積極的な日と「今日はこれでおしまい!」と声に出したり積極性に欠ける日があります。
何事も楽しくやらないとリハビリが苦痛になってしまいますので無理に時間は伸ばしませんけど、何か楽しくやりたいなと考えました。

知的障害者はとにかく動き回る方が多いです。

寝たきりになっても動きたいという意識は強いでしょうね。
サッカーボールを使ってリハビリをする
施術を少し行ったところでピンときたので、サッカーボールを使ったリハビリを取り入れてみることにしました。
正確に言うと、サッカーボールの柄がプリントされたビーチボールです。

これがハマれば回復のスピードが早まるし、リハビリが上手くいくと予想して運動に取り組んでいたのですが、こちらの予想以上にボールを使ったリハビリを気に入って頂けました。

思った通りにリハビリが進みました!

この運動を取り入れてから元気になりましたよね。
リハビリの成果が出ました
リハビリを開始して約1ヶ月の成果としては、車椅子からベッドに歩いて移乗が出来るようになりました。
自分で立ち上がれますし、6~8歩は歩けます。
最初は何とか車椅子から立ち上がれる程度で下肢はフラフラでした。
この変化には施設の方にもとても喜んで頂けました。
患者様も何だか嬉しそうです。
⑥から⑦の動作に少し不安を感じており、改善点が多く残ってますがその他の動作はこちらが驚くほど動きに変化が出て改善してきております。
この回復振りには障害者施設のスタッフの方々も介護が楽になったと喜んでくれているようでなによりです。
しかし、次に取り組みたいリハビリも頭に浮かんでいるので、更なる回復を目指して施術を行っていきたいと思っております。

成果は確実に現れ、車いすへの移乗に成功しました!

ご本人のやる気度が変わってきました。
廊下での歩行訓練もスタート
追記になりますが、この患者様は歩けるまでに回復し廊下での歩行訓練が可能となりました。
病気の性質上ずっと動くことは難しいのですが、また明日歩けるようになったことに患者様も嬉しそうです。
おおよそ5mの距離を休憩させながら体調を考慮して歩行を数回繰り返します。
これには施設の介護担当者から「ホントに有難う、トイレ介助も楽になっている。」とお誉めの言葉を頂けました。

歩けたのがとても嬉しかった様子でした。
まとめ
最初は反応が薄かったのですが、患者様に合うリハビリをきっかけに動きたい、歩きたいという意欲が芽生えたように感じました。
知的障害の方はその反応もまちまちですが、きっかけがあればリハビリが一気に進みます。
意思の疎通が難しいながらも大きな可能性を秘めていたり、残っている能力があるのに周りが活かせていない場合もありますので、知的障害の方のリハビリは思わぬ成果を上げることがあります。
その本質は患者様の動きたいという欲求でしょう。
言葉を交わせなかったり、会話が成立しなくても対峙していると感じるものがあります。
その人が動きたいと思うポイントをうまく見つけた時に、知的障害の方は大きく状況が改善することを何人か施術をしてみて理解しております。
元々動くことが好きな方々なので、きっかけ待ちなのですよね。