内反尖足(せんそく)の原因と改善方法

内反尖足(せんそく)の原因と改善方法

意外と多い内反尖足

内反尖足になると見た目にも気になりますし、誰かに相談したくなるものです。

このページでは内反尖足の改善方法や専門の医療機関などについて書き出していこうと思います。

症状の軽い方から重い方まで共通して言えることは、「なるべく早期に医療機関にかかって適切な治療をしてください。」ということです。

特に症状が重い場合は個人での解決は無理ですので、医療機関に相談してその症状にあった処置をしましょう。

内反尖足の治療法を知ろう!

脳性麻痺による内反尖足の治療法

脳性麻痺による内反尖足は痙性麻痺により長い時間ををかけて関節が固まっております。

脳性麻痺に限らず、時間をかけて関節が固まった場合は高い確立で関節拘縮を起こしていると推測できます。

マッサージでリラックスさせたり適切なリハビリで関節のケアをすることは大切ですが、関節拘縮を起こしてしまうと徒手での矯正はできません。

内反尖足がどの程度かにもよりますが、マッサージやリハビリでは現状をよい状態で保つくらいにの位置付けで考えておいた方がよいです。

内反尖足を起こしている場合はムリしたその負担が身体の何処かに溜まりますので、身体全体をケアするという視点で治療を受けた方がよいです。

内反尖足の治療法とデメリット

拘縮が原因でない内反尖足の場合は、ボトックス注射とリハビリで改善する可能性もあります。

また、拘縮が進んでる場合は手術をしないと改善は見込めません。

内反尖足の難しいところは、症状が改善されてもデメリットが残るところです。

内反尖足は医療機関で適切な治療を行えば大きく症状が改善します。

しかし、今までの痙性や内反尖足を用いてバランスをとっていたのに、手術をすることで足の踏ん張りが効かずに、以前よりも歩行時に不安定さが出たりして転倒のリスクが一時的に高まることもあります。

主治医の診察を受けて検査をしてみないと治療方針は決まらないですので、主治医の先生にまずは相談することから始めましょう。

足首にある程度の硬さがないと逆に歩きにくさを感じます。

先天性内反尖足の治療法

先天性内反尖足の適切な対応です。

どのようなタイミングでどのような処置を行なうかは医療機関と綿密に打ち合わせをして決めていってください。

先天性内反足の治療はなるべく早期に変形を矯正して、いかにその状態を⻑く維持していくかが大事です。

治療は早急に開始しましょう。

母親の状況や子供の全⾝状態を考えて生後1〜2週以後から本格的な矯正を開始することが多いそうです。

ポンセッチ法で徒手矯正

ポンセッチ法を導入している場合はギプス包帯法がまず行われ、その矯正位にてギプス固定します。

最初は集中的に週に2回の矯正を2週程度行い、以後は週に1回ギプスを更新します。

このような矯正ギプス包帯法を約 6~8週間行います。

まず前足部の凹足をその後内反、内転を矯正し、尖足は最後に(生後8週から10週ごろ)アキレス腱を手術的に切ることで矯正します。

これは10分程度の簡単な手術となります。

アキレス腱切りを行い、ギプスを 3 週間巻いた後に手術時に採型したデニスブラウン装具にてその矯正を保持します。

これは3~4歳ごろまで装着が必要です(最初は全日、その後は主として夜間装具として使用します)。

広範囲の解離手術は現在はほとんど行なわれなっておりますが、重症度の強いもや再発してしまった場合は解離手術、腱移行術などが必要となることもあります。

滋賀県立小児保健医療センター

赤ちゃんの内反足の場合にはこの保健医療センターの情報は役に立つかと思います。

子供の足の骨周囲の靱帯や関節包などがまだ軟らかいというところがポイントで、早期に治療をすることが予後に大きく影響しそうですね。

小児の内反足の治療法

治療はまず保存的(手術をしない方法)に行います。

年齢が低ければ足の骨周囲の靱帯や関節包などがまだ軟らかいので矯正効果は大です。

内反足は再発しやすいことで有名です。

完全に変形を矯正するためには数回の手術が必要なこともあります。

保存的治療・手術療法はともに難しく、内反足自体が専門性の高い疾患であり、しかも発生率が低いので、一般の病院ではしだいに扱うことが少なくなってきています。

-滋賀県立小児保健医療センター本文より一部抜粋-

(旧版)脳卒中治療ガイドライン2009

歩行障害に対するリハビリテーションでは内反尖足にこの辺りが絡んできますね。

脳卒中片麻痺のリハビリテーション

〇脳卒中片麻痺で内反尖足がある患者に、歩行の改善のために短下肢装具を用いることが勧められる(グレードB)。

1.痙縮による内反尖足が歩行や日常生活の妨げとなっている時に、脛骨神経または下腿底屈筋運動点のフェノールブロックを行うことが勧められる(グレードB)。

2.痙縮により尖足があり、異常歩行を呈しているときに腱移行術を考慮しても良い(グレードC1)。

-(旧版)脳卒中治療ガイドライン2009本文より一部抜粋-

脳卒中後の麻痺足-歩いているから大丈夫-(プライマリ・ケアコーナー)

歩行と装具の関係性とその装具が今の状態に合ってるのかが大事です。

本文を読むと、歩行訓練だけではなくその人の今の状態に装具が合ってるのかを考えるとようになります。

施術者こそ適切なアドバイスをする為には知っておいて欲しい現状でもありますね。

痙縮の治療方法

痙縮が強くなる場合はその治療(コントロール)が必要になります。

一般的には筋弛緩薬の経口投与から開始します。

倦怠感やふらつき、眠気などの合併症に注意しながら投与します。

これで痙縮がある程度抑えられ、補装具の適合性が改善し、歩行能力が向上すればよいのですが内反尖足、足趾の屈曲緊張が強い場合は神経ブロックやモーターポイントブロックが行われます。

それでも筋緊張が強い時や拘縮が強い場合には腱延長術や腱移行術などの外科的治療が行われる場合があります。

痙縮に対するその他の外科的治療としては選択的脊髄後根遮断術や神経縮小術などがあります。

最近では痙縮の治療としてバクロフェンの持続髄注や、脳卒中には保険適応はありませんがボツリヌストキシン注射などもあります。

-脳卒中後の麻痺足-歩いているから大丈夫-(プライマリ・ケアコーナー)本文より一部抜粋-

慶應義塾大学病院 医療・健康情報サイト(神経ブロック療法)

ここには載せませんが、サイトの本文中には痙縮による症状として内反尖足の写真が載っています。

脳梗塞や脳出血などの脳卒中の後遺症ではこの痙縮に皆さん悩まされるのではないでしょうか?

治療法と期待される効果を本文中から抜粋しました。

痙縮の治療方法と期待される効果

1.痙縮の程度や関節の動き、麻痺の状態、歩行の様子などを総合的に評価した上で、注射する神経を決めます。

細い注射針を刺して、その針に弱い電流を流して筋肉の反応を確認しながら、標的の筋肉や運動神経を探し、薬剤を注射します。

1回の治療で数カ所の神経・筋肉に注射を行います。

薬剤としては、神経破壊薬であるフェノールもしくは神経筋接合部遮断薬であるボツリヌストキシンを用います。

なお、我が国では上肢および下肢痙縮に対して、ボツリヌストキシンA型(ボトックス®)が保険適用となっています。

針を刺入する時、針を少しずつ動かす時、神経破壊薬を注入する時に軽い痛みを感じますが、いずれも一過性です。

2.期待される効果

過剰な筋緊張が低下すれば、痙縮による症状は緩和されます。

効果は注射後2~3日目から徐々に現れ、通常は3~4ケ月持続します。

症状がもとに戻ったらまた繰り返して投与することを検討します。

-慶應義塾大学病院 医療・健康情報サイト(神経ブロック療法)本文より一部抜粋-

まとめ

内反尖足は軽度、中程度、重度と症状も人それぞれでので、ご自身の状況に合わせた対応が必要です。

臨床の場面でよく見る内反尖足は、何とか解決してあげたいなと思う反面、私が対峙する患者様は症状の重い方が多く、重度の内反尖足の場合はマッサージや鍼灸で力を抜かせることは出来ても根本的な解決には至りません。

内反尖足を起こすということは、そこ以外にも不具合は出ているはずですので全体的な治療としては鍼灸マッサージは有効ですが、重症の場合、適材適所で症状に合わせた対応が必要となります。

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