寝たきりから歩けるようになった脳梗塞後遺症のおばあちゃんの話

訪問マッサージを長年行っていると、奇跡的な回復をされる方を時々見かけます。

脳梗塞や脳出血の場合は、病気の性質上リハビリとの相性がとても良いです。

しかし、リハビリ不足のために寝たきりになってみえる方や負のサイクルから抜けきれない方は大勢いるのではないでしょうか。

当院に連絡をされる脳梗塞の患者様は主にリハビリを強く求められる場合が多いです。

ご高齢でも運動の意識がとても高い方がみえます。

そういう方はこちらが驚くほど劇的な回復をされる実例もあります。

高齢だともうダメかと言うとそうでもなく、90歳越えてみえる方の中にはものすごい高いポテンシャル(潜在力、潜在性)を持って生きてみえる方がみえます。

そのような方に関わると、その前向きさやひたむきさに感動すら覚えます。

大病を患い寝たきりになると二通りの道があります。

もうだめだと最初から諦めてしまう方と、どうにかしてもう一度歩きたい努力される方。

今回は後者の方のお話を致します。

ご家族からのお問い合わせ

この患者様はご家族様よりご連絡をいただきました。

ご家族「母が施設で寝たきりなのですが、また座れるようになりますか?」

ご家族「運動の意欲は凄く高いのですよ、何とかなりそうでしょうか?」

自分「分かりました!まずは一度施設にお伺いさせて頂き状態を診させて頂きますね!」

ご家族「助かります、よろしくお願いします。」

と電話対応し、「一度伺い、まずご本人様にお話をしてから方針を決めさせて頂きますね。」とお伝え致しました。

この患者様は実際に伺って話をしてみると、思った以上に運動の意識の高い方でした。

目標も高く「自分でトイレに行けるようになりたい!」と初見から望んでみえました。

大病され寝たきりになった患者様は、大体同じような悩みを持ち、同じ目標に向かってリハビリを頑張られてみえます。

この患者様は特別変わったことを言っているわけではなく、素直になりたい自分を想像して大きな目的に向かって目標設定されたのです。

とはいえ今は寝たきり状態ですので、まず座れるようにならないと話になりません。

ご連絡頂いた時の患者様の状態

・90歳 女性

・施設に入所している

・主要な病気は脳梗塞後遺症

・左半身に麻痺がある

・ベッドで寝たきり状態にある

マッサージで身体をほぐす

この患者さんの場合、背中の方を痛めてみえるなと感じましたので、まずは運動はお預けで、徹底的にマッサージを行いました。

特に背中や腰の辺りの筋肉を緩め痛みを取る事に重点を置きました。

何日間かマッサージを行うと痛みが引いてきたようです。

痛みがある時には運動を無理に行うと逆に筋肉や関節を痛めてしまいますので、マッサージをよく行って痛めている筋肉をケアし回復を促す必要があります。

マッサージの甲斐もあってかベッド上では少し自由に動けるようになってきました。

痛みが取れた後は患者様の要望であるリハビリの開始です。

運動やリハビリのやり方・方法については日々の記録はとってあるものの長くなるので割愛します。

リハビリは身体の回復具合を診ながら細かくやり方を変えていきますので、こうやったら良いという正解はありません。

その時々の患者様の体力とお身体の状態をしっかり把握しながら最適な方法を選択していくのです。

座れるようになりました

かなりやる気のある患者さんだなと施術をしていて思いました。

最初のうちはベッド上で軽めの運動を行っていたので物足りないというのは表情をみていて分かります。

しかし、無理をしたから回復するという訳でもないので、話をしながらゆっくりと時間をかけて行っていきました。

リハビリは焦らず相手に合わせて、ある程度のプランを持って取り組むことが大切です。

これが出来たら次はこれ、というように順序立ててやらないと膝や股関節を痛めて運動どころではなくなります。

身体のケアを上手く行いながら、最善の方法を探っていくのが私のやり方です。

そうこうしているうちにベッドサイドに座れるようになりましたので、ベッドに仰臥位で寝て行うリハビリから、次のステップに移り座って出来るリハビリに切り替えました。

リハビリは自分との闘いである

健康な時の運動はサッカー、野球、バレー、バドミントンなど周りと関わりながら楽しくできるのですが、リハビリは単調な上に孤独な自分との戦いを強いられます。

そして、健常者と違い何処かに障害をおっての運動ですから努力すればする程に下肢に何かしらの不具合が出る可能性は高くなるのです。

そんな孤独な闘いを見守り諦めないように正しい方向に導くのも私たちの役目です。

たとえ健康な方でも一人で運動ってなかなか続かないですよね?

マラソンランナーのように1人で黙々とコツコツと運動を積み重ねる方は強い精神力の持ち主ですが、普通の人はそれほど強くはありません。

脳梗塞や脳出血で倒れても、皆さん大きな病気など初めての体験でしょうから、どんなリハビリをやったらいいかすら分からないですよね。

身体を痛めるリスクがある以上、1つ1つ専門家からのアドバイスや 指導がないと効率が悪いですし、ケガをするリスクが高くなります。

しかし、この患者様は素直に前向きに運動される方でしたので素質ありと感じました 。

脳梗塞、寝たきりから立てるようになりました!

あーでもない、こーでもない、と話をしながらリハビリを根気よく続けたところ、ベッドサイドで立てるようになりました。

こうなってくるとリハビリも加速度がついてきます。

立てるようになると、今度は車椅子にどうやって移動するかです。

患者様も言葉には出さないまでも何か移乗をしたそうにはしてみえます。

しかし、当院では一切その辺りは行わず、徹底的に基礎的な運動と筋力強化を行います。

体が回復してくれば車椅子に移るという動作は自然と出来るようになるのは過去の事例が示しています。

皆さん病状が違いますが、前向きな気持ちを持っている方はリハビリをこなしていく日々の中で自分なりにコツを掴んでいくのです。

この段階では、ご本人様の動きも増えてきて色々自由度が高くなってきます。

そうこうしていると、ベッドから車椅子への移乗も自分で出来るようになりました。

電話で連絡をくれたご家族もこの光景にはビックリしていましたし、「ホントに立てるようになるとは思わなかった!ありがとございます!」と感謝の言葉を貰いました。

目標達成!意外と早かった

車椅子への移乗は出来るようになりましたなで、残すは最終目的である車椅子からトイレの移乗のみです。

こういう前向きな患者様はご自身でも努力をされる為、ヘルパーさんのトイレ介助の時などを利用して、移乗を手伝って貰いながらコツコツトイレへの移乗の練習をされていたようです。

なのでこちらからはリハビリとして移乗の手伝いなどをする事は1度もありませんでした。

わりと早くご自身でのトイレへの移乗が出来るようになられたので私自身も驚きました。

目標は達成しましたが、この方の向上心はここでは終わりません

次の目標は歩くこと

トイレに行けるようになったので目標は達成しましたが、こんな処で終わらず、次の目標は歩く事になりました。

ご自身でトイレまで行き、一人で移乗も出来るようになったわけですから、歩行はそこまで難しいハードルではありません。

歩けるようになりました

結論から言うと歩行補助手すり平行棒を使用して歩けるようになりました。

この方ご入居されている施設との兼ね合いで、歩行補助手すり平行棒を使用しての運動以上のリハビリはできません。

しかし、出来るところまでは回復させられたのではと思います。

ホントに感心するぐらい向上心が強く頑張られる方で、 その後も1人でも積極的に運動をされてみえました。

もう私の手を離れて一人立ちしてしまったような心境でしたが、自分もお手伝い出来るところはしっかりお手伝いしました。

ひと仕事終えて

こういう仕事をしていて一番嬉しいのは患者様の回復の過程を見ることです。

今回みたいな理想的な回復をする患者様ばかりではありませんが、やはり少しでも患者さんの状態を良くする事が目的であり理想です。

必死に頑張ってみえる方に寄り添い、誠心誠意頑張っていく。

仕事をしていても楽しいというか、やりがいを感じるところでもあります。

前向きの挑戦することが大事

自分が寝たきりになって、「本当に動けるようになるの? 」「どうしたら動けるようになるんだろう?」と思ってみえる方は沢山みえることでしょう。

一つだけ言えることは、何もしなければ何も変わりません。

出来れば関節が固まる前に何らかの手立ては打たれた方が、その後の回復が大きく違ってきます。

脳梗塞や脳出血を発症して何か困っていることがあるのであれば、専門家に早めに相談しましょう。

軽い症状であればご自身で何とか解決出来るかもしれませんが、ご高齢であったり病状が悪かったりした場合は1人で解決は難しいでしょう。

適切なタイミングで適切なアドバイスが出来る機能回復のプロに早めに相談するとよいでしょう。

まずは行動すること、そこから全てが始まると私は思います。

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