脳出血や脳梗塞は倒れる前から防ごう!事前対策のやり方とは

機能回復訓練をしていて思うこと
脳出血はリハビリとマッサージを行うことで、身体機能の回復が望める疾患です。
脳出血では、半身は麻痺していても、反対側は健常者と変わらない状態の方が多いです。
そういう患者様への施術では身体機能の向上を目的に目標を決めたリハビリに取り組むことで機能回復が見込める場合があります。
また、重症でベッドから起き上がれない患者様については必要な運動量が保てず筋肉が硬くなりやすく、関節拘縮を起こしやすい状況ですので、リハビリやマッサージの重要性がより高くなります。
病気を発症してからのリハビリはとても重要ですが、こういった病気は前もっての防ぐ努力は出来ないものかといつも思います。
もちろん100%防ぐなんてことは不可能ですが、そのリスクを下げることは可能だと思っています。
今回は脳出血の概要と予防対策について考えていきます。
脳出血とは
脳出血とは脳の血管が破れてしまい脳内に出血が起こります。
その血液が血腫(血の塊)になり脳を圧迫することで脳機能に様々な障害が生じます。
脳溢血と呼ばれる事もありますね。
倒れる前には何らかの症状があります
脳出血直前の方(患者様の息子さん)をたまたま見掛けた事があり、話を聞いてすぐに病院に行くことを勧め救急車を呼んだ結果、即入院となり破裂する前に動脈瘤のクリッピング手術をされ、対処が早かった為に後遺症が軽く済んだという経験があります。
脳梗塞と脳出血どちらも同じなのですが、倒れる前には独特な兆候がみられます。
その兆候の出方や感じ方は人それぞれで、「おかしいな?」と思いながらも「これくらい大丈夫。」と見過ごしてしまいがちな症状でもあります。
次に挙げる倒れる直前の症状は脳出血の場合もあれば脳梗塞の場合もあります。
倒れる直前の特徴的な症状として参考程度に書き出します。
◯数年前に親が脳出血で倒れており、印刷業のため親子で仕事中水を飲めない環境にあり、息子さんがふらつき気持ち悪くなり帰宅してきた。
◯自転車にいつも通り乗ったら蛇行運転しかできず真っ直ぐに走れなかった。
◯コンビニで倒れて、「私は動けるから大丈夫、大丈夫。」と言っていたんだけれど、近くの人に救急車を呼ばれた。
◯1度倒れて救急搬送され、医者から血液をサラサラにする薬を出されたけど、治ったと勘違いして飲むのをやめたらまた倒れた。
高血圧性脳内出血
脳出血の中で最も頻度が高いのは「高血圧性脳内出血」です。
血管が破れる原因がその名のとおり高血圧によるものです。
高血圧により脳内の血管に負担がかかり血管壁がもろくなります。
もろくなった血管に裂け目ができたりして血管が破裂する事で脳出血を引き起こします。
血圧が高い方は要注意ですね。
脳卒中とは
高血圧が長く続くと、動脈硬化が進行し、やがて脳の血管が詰まって脳梗塞になります。
高血圧の程度が強い場合、脳の血管が破れて脳出血になったり、また脳の血管の一部分に動脈瘤ができて破裂してくも膜下出血になります。
これらの病気を脳血管障害(脳卒中)といいます。
大きく分けると、くも膜下出血、脳出血、脳梗塞の三つに分かれます。
原因を探っていくと高血圧が危険信号であることが分かります。
高血圧を防ぐ為には動脈硬化にならないような努力(健康な生活)をする必要があります。
原因と何を対策すればよいかが分かっても、事前に対策することはホントに難しい病気です。
脳血管障害(脳卒中)の危険因子
危険因子を理解すればどのような生活習慣をすれば脳血管障害(脳卒中)を防げるのか、その答えが見えてきます。
脳梗塞の原因
脳梗塞を発生させる危険因子には、高血圧や不整脈(心房細動)、糖尿病、喫煙、肥満などがあります。
高くなった血圧や乱れた血流が血管を傷つけて血栓をつくり、血管はしだいに硬くなっていきます。
そうしてできた動脈硬化が、脳梗塞を起こします。
メタボリックシンドロームも脳梗塞の危険因子の一つです。
脳梗塞の場合、動脈硬化が最大の原因と言えそうですね。
糖尿病、喫煙、肥満についてはご自身で普段から摂生するように心掛ければ前もっての予防に繋がりそうです。
しかし、それが出来ないのが人間であり生活習慣はなかなか変えられないと思います。
私の場合は、ジャンクフードを避け、寿司を食べる時は醤油を1滴しかかけない、サラダはそのまま食べマヨネーズやドレッシングは使わない、塩分はなるべく控えるという食生活を実践しております。
また、飲酒と喫煙は意識して行わず、毎日4時間程度の運動を行い2リットルの水を飲みます。
健康的な生活を送ろうと思うと、楽しい事や怠け心を全て捨てないと難しいでしょう。
ただ、全てを完璧に行わなくても出来る事から1つずつ変えていくとよいかと思います。
健康的に過ごすって修行僧みたいですよね。
脳出血やくも膜下出血の原因
脳出血やくも膜下出血の場合は、高血圧、喫煙、飲酒が発生に関連する要因です。
脳出血の場合は、コレステロール値の異常低値(低栄養)も発生に関与します。
脳出血やくも膜下出血の場合も予防の対策は特に変わりません。
先程、脳梗塞の原因でお伝えした改善策の内容を行えば自然と脳出血・くも膜下出血対策となります。
また、印刷業など仕事場に飲み物持っていくことが出来ない職場もありますので、そういう場合は業種を変えない限りは環境を変えられないですよね。
病気が起こる前に対策する難しさを感じます。
出来る事からで構わないので気になる人は何か対策をとっていきましょう。
脳卒中の割合について
脳卒中レジストリを用いた我が国の脳卒中診療実態の把握、日本脳卒中データバンク報告書2018年によると脳卒中のうち脳梗塞は75.6%脳出血は19.8%くも膜下出血は4.6%となっております。
こうやって数字で見てみると、脳梗塞が圧倒的に多いですね。
私達、鍼灸マッサージ師も脳梗塞の患者様の対応をする機会は圧倒的に多いです。
割合的にはくも膜下出血の患者様はお見掛けすることは少なく、関わる時にはベッドから起き上がれないような重症の方が多いです。
脳梗塞、脳出血、くも膜下出血、どれになっても辛いです。
どれも血管の健康が大きく関わってきますので、血管年齢を若々しく保ちたいですよね。